市民税・県民税の所得控除

 所得控除とは、納税義務者に配偶者や扶養親族がいるかどうかなどの事情を考慮し、納税義務者の税負担を調整するために所得金額から控除するものです。

税額を計算する際の所得控除は次のとおりです

控除の種類

 内容

控除額

雑損

前年中に納税義務者、扶養親族などが有する住宅や家財などの資産について、災害や盗難等により損害を受けた場合に受けられる控除です。

証明書が必要です。

1と2のいずれか多い方の金額
1 損失額-補てん額-(総所得金額等の10%)
2 災害関連支出の金額-5万円

医療費

前年中に納税義務者、納税義務者と生計を一にする配偶者、その他の親族のために支払った医療費に対する控除です。

医療費控除の明細書が必要です。
医療費控除・セルフメディケーション税制
支払った医療費-保険等による補てん額-(10万円または総所得金額等の5%との少ないほうの金額)
※控除額は最高200万円です。

社会保険料

前年中に納税義務者、納税義務者と生計を一にする配偶者、その他の親族のために、納税義務者が支払った国民健康保険税、国民年金、介護保険料などの社会保険料が控除の対象です。

領収書等が必要です。
なお、公的年金の支払時に差し引かれる社会保険料については、本人以外の方が控除を受けることはできません。
支払った額全額

小規模企業共済

前年中に小規模企業共済掛金や心身障害者扶養共済掛金を支払った場合の控除です。

領収書が必要です。
支払った額全額

生命保険料

受取人が納税義務者、納税義務者の配偶者、または親族とする生命保険契約について、納税義務者が支払った保険料が控除の対象です。

証明書が必要です。
計算方法は下記をご覧ください。

地震保険料

納税義務者や納税義務者と生計を一にする配偶者、その他の親族のために支払った地震保険、平成18年末までに契約した長期損害保険に対する控除です。

証明書が必要です。
計算方法は下の表をご覧ください。

主な人的控除一覧

 令和3年度から改正・創設される箇所があります。

種類

改正後(令和3年度から)

改正前(令和2年度まで)

寡婦

夫と死別・離婚を問わず(未婚を除く)、扶養親族や各種所得の合計額が48万円以下の生計を一にする子のある方。または、夫と死別した方。どちらも本人の合計所得金額が500万円以下であることが条件。

夫と死別、離婚を問わず、扶養親族や各種所得の合計額が38万円以下の生計を一にする子のある方。または、夫と死別し、合計所得金額が500万円以下の方。
特別寡婦 夫と死別または離婚し、扶養親族である子を有し、かつ、合計所得金額が500万円以下の方。

妻と死別または離婚し、各種所得の合計額が38万円以下の生計を一にする子があり、かつ、合計所得金額が500万円以下の方。

ひとり親

男女の別、死別・離婚・未婚を問わず、配偶者または事実上配偶者と認められる者がいない方。各種所得の合計額が48万円以下の生計を一にする子があり、本人の合計所得金額が500万円以下であることが条件。

勤労学生

納税義務者が学生(専修学校、職業訓練校などを含む)で、合計所得金額が75万円以下で、なおかつ自分の勤労によらない所得が10万円以下の場合に控除が受けられます。 納税義務者が学生(専修学校、職業訓練校などを含む)で、合計所得金額が65万円以下で、なおかつ自分の勤労によらない所得が10万円以下の場合に控除が受けられます。

障がい者

納税義務者や同一生計配偶者、扶養親族で、心身に障がいのある方がいる場合に控除が受けられます。

配偶者

生計を一にする配偶者(内縁を除く)の合計所得金額が48万円以下で、納税義務者の合計所得が1,000万円以下の場合に、納税義務者の所得額に応じて控除が受けられます。 生計を一にする配偶者(内縁を除く)の合計所得金額が38万円以下で、納税義務者の合計所得が1,000万円以下の場合に、納税義務者の所得額に応じて控除が受けられます。

配偶者特別

生計を一にする配偶者(内縁を除く)の合計所得金額が48万円超133万円以下で、納税義務者の合計所得金額が1,000万円以下の場合に、納税義務者及び配偶者の所得額に応じて控除が受けられます。 生計を一にする配偶者(内縁を除く)の合計所得金額が38万円超123万円以下で、納税義務者の合計所得金額が1,000万円以下の場合に、納税義務者及び配偶者の所得額に応じて控除が受けられます。

扶養

合計所得金額が48万円以下の、生計を一にする親族(いわゆる里子も含む)がいる場合に控除が受けられます。 合計所得金額が38万円以下の、生計を一にする親族(いわゆる里子も含む)がいる場合に控除が受けられます。

基礎

合計所得金額が2,500万円以下の方が受けられる控除で、合計所得金額が大きくなるにつれ控除額は段階的に引き下げられます。 一律に受けられる控除です。

 

 各控除額については以下の一覧表をご参照ください。

種類 改正後(令和3年度から) 改正前(令和2年度まで) 
寡婦 26万円
26万円
特別寡婦 30万円
寡夫
26万円
ひとり親 30万円
勤労学生 26万円
26万円
障害者 本人・同一生計配偶者・扶養親族
普通障害者 26万円
特別障害者 30万円
同一生計配偶者・扶養親族 同居特別障害者 53万円
扶養 一般の扶養(16歳~18歳、23歳~69歳) 33万円
特定扶養(19歳~22歳) 45万円
老人扶養親族(70歳~) 38万円
同居老親扶養親族(70歳~) 45万円
基礎 2,400万円以下 43万円 一律33万円
2,400万円超2,450万円以下 29万円
2,450万円超2,500万円以下 15万円
2,500万円以上 0円

配偶者控除・配偶者特別控除

 配偶者控除と配偶者特別控除の両方は、控除できません。

  •  配偶者控除(配偶者所得38万円以下)

控除を受ける納税者本人の
合計所得金額 

 控除額

 一般の控除対象配偶者

老人控除対象配偶者 ※ 

 900万円以下

 33万円

 38万円

 900万円超950万円以下

 22万円

 26万円

 950万円超1,000万円以下

 11万円

 13万円

※老人控除対象配偶者とは、控除対象配偶者が1月1日時点で70歳以上の人をいいます。

 

 改正後(令和3年度から)

  控除を受ける納税者本人の合計所得金額
900万円以下 900万円超
950万円以下
950万円超
1,000万円以下









48万円超 100万円以下 33万円 22万円 11万円
100万円超 105万円以下 31万円 21万円 11万円
105万円超 110万円以下 26万円 18万円 9万円
110万円超 115万円以下 21万円 14万円 7万円
115万円超 120万円以下 16万円 11万円 6万円
120万円超 125万円以下 11万円 8万円 4万円
125万円超 130万円以下 6万円 4万円 2万円
130万円超 133万円以下 3万円 2万円 1万円

 

 改正前(令和2年度まで)

  控除を受ける納税者本人の合計所得金額
900万円以下 900万円超
950万円以下
950万円超
1,000万円以下









38万円超   90万円以下 33万円 22万円 11万円
90万円超   95万円以下 31万円 21万円 11万円
95万円超 100万円以下 26万円 18万円 9万円
100万円超 105万円以下 21万円 14万円 7万円
105万円超 110万円以下 16万円 11万円 6万円
110万円超 115万円以下 11万円 8万円 4万円
115万円超 120万円以下 6万円 4万円 2万円
120万円超 123万円以下 3万円 2万円 1万円

 

生命保険料控除の計算方法

 平成25年度、市民税・県民税から生命保険料控除の計算方法が変わりました。

地震保険料控除の計算方法

支払保険料の区分

支払保険料の金額(B)

控除額

1 地震保険料

~50,000円
50,001円~

(B)の2分の1
25,000円

2 旧長期損害保険料

~5,000円
5,001円~15,000円
15,001円~ 

全額
 (B)÷2+2,500円
10,000円

3 1と2の両方がある場合 

   1で求めた額+2で求めた額
(最高25,000円)


関連情報

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