秩父市では、災害発生時や日常生活における生活交通・物流等の生活インフラの維持が困難という課題を解決すべく、2020年11月から、物流・公共交通ネットワーク「秩父モデル」構築へ向けて、取組みを進めています。
その取組みの一環として、遠隔運用によりコスト効率性を高めたドローン配送体制の構築、及び地域住民の通院困難な状況を改善する医療提供体制の構築を目指し実証実験を行いました。
「遠隔運用によるドローン配送」について
令和4年11月7日(月)~17日(木)にかけて、物流ドローン機体を活用し、弁当や飲料などの物資を、大滝地域に位置する「道の駅大滝温泉」から「二瀬ダム管理事務所」前まで、往復約6kmの距離で配送を行いました。
遠隔運用について
遠隔運用によりコスト効率性を高めたドローン配送体制の構築に向け、遠隔運用者は、ドローン出発地点(道の駅大滝温泉)から約14km離れた秩父市内の拠点より、遠隔でドローンの運航判断・操作・監視を実施しました。また、ドローン出発地点(道の駅大滝温泉)では、ドローン機体の点検などを、地元事業者が拠点業務の一部運用を担当する形で実施しました。
今後の展望
将来的に地域の事業者が、遠隔運用も含めドローン配送の全運用を担う体制の構築を目指します。
「オンライン栄養指導及びオンライン聴診器診察」について
令和4年12月9日(金)と16日(金)、大滝診療所に来院した患者に対し、医師同席のもと、秩父市立病院の管理栄養士から患者へ、栄養食事指導をオンラインで実施しました。また、同年12月8日(木)と15日(木)、大滝診療所の看護師が患者の自宅を訪問し、オンライン聴診器を患者に当て、診療所にいる医師がリアルタイムに聴診器を聴きながら遠隔での診察を実施しました。
(オンライン聴診器による遠隔での診察の様子)
オンライン栄養指導実証の結果
秩父市立病院と大滝診療所がオンラインで繋がったことで、診療所の通常の診察メニューにはない栄養指導を地域住民の方々に受診いただくことができました。
オンライン聴診器診察実証の結果
対面診察の聴診と同等の聴取ができることを確認しました。
今後の展望
本実証を通じて得られた成果や課題を踏まえ、山間地域における住民の質の高い医療機会の確保に向けた検討を進めて参ります。
プレスリリース資料
遠隔運用によるドローン配送と遠隔医療の有効性を検証.pdf(663KB)