病院情報の公開(令和2年度)

令和2年度 秩父市立病院 病院情報

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞のICD10別患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

年齢階級別退院患者数(ファイルをダウンロード

 
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数

13

-

16

27

49

105

234

441

576

226

<定義>
・年齢は一般病棟入院時とし、年齢階級別(10歳刻み)の患者数を示す。
・年齢階級は90歳以上を1つの階級として設定する。
・患者数が10未満の数値の場合は、-(ハイフン)を入力する。

<解説>
当院では全病棟において年間約2,000人の幅広い年齢層の患者様が入退院されています。
2020年度の一般病棟を経て退院した患者数は、昨年度より300人以上減少し、約1,700人でした。これは、新型コロナウイルス感染症対策による病棟のゾーニングをはじめ様々な影響を受け、減少したと考えられます。
患者数が最も多い年齢層は80~89歳(576人)で全体の約34%、60歳以上の患者様が全体の約87%を占めており、高齢の患者様が多い地域であるということが分かります。ここ数年で初めて、10代の患者様が10人未満となりました。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)(ファイルをダウンロード

<定義>
・各診療科別に患者数の多いDPC14桁分類について、DPCコード(*1)、名称、患者数、当院の平均在院日数、全国の平均在院日数、転院率、平均年齢、解説を示す。
・患者数が10未満の数値の場合は、-(ハイフン)を入力する。

(*1)DPCコードとは
「DPC」とは、Diagnosis(診断) Procedure(処置[手術・検査等]) Combination(組合わせ) の略称で、「診断群分類」を意味します。患者様の病名が確定し、その病名に対してどんな手術や処置等が行われたか、またどんな併存症(定義副傷病)が存在したかなどによって細分類化され、14桁の診断群分類コードで数値表現したものです。  
 
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均在院日数(自院) 平均在院日数(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050130xx99000x

心不全

68

16.75

17.23

7.35%

85.65


040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎

48

26.35

20.51

12.5%

85.21


110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症

30

19.87

13.00

6.67%

83.2

030400xx99xxxx 前庭機能障害

26

5.54

4.94

0.00%

74.54


060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 22 15.09 9.53 4.55% 82.23
<解説> 
 内科では、「心不全」に分類される症例が最も多くを占めています。次いで「誤嚥性肺炎」で、双方とも高齢者が多い当院の特徴といえます。心機能の低下や何らかの原因で虚血となり、心不全を引き起こすケースや、嚥下機能の低下により誤嚥を引き起こし、誤嚥性肺炎を発症するケースです。その他、尿路感染症などの「腎臓または尿路の感染症」や、めまいやメニエール病などが含まれる「前庭機能障害」、「胆管(肝内外)結石、胆管炎」に分類される症例も多くみられます。幅広い疾患に対し他診療科との連携を図りながら対応しています。

外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均在院日数(自院)
平均在院日数(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上)

27

4.96

4.86

0.00%

76.04


060035xx010x0x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍

11

16.45

16.19

0.00%

74.18


060335xx02000x 胆嚢炎等

-

-

7.23

-

-


060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など)

-

-

6.41

-

-


060020xx02x00x

胃の悪性腫瘍

 - -

19.04

 -  -
<解説>
 外科では、「鼡径ヘルニア(15歳以上)」の疾患が一番多くを占めており、次いで「結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍」でいずれも手術施行症例となっています。また、「胆嚢炎等」「胆嚢疾患(胆嚢結石など)」等の胆嚢系疾患や「胃の悪性腫瘍」も多くみられます。

 
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均在院日数(自院)
平均在院日数(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折「手術有り」

54

51.35

25.09

24.07%

84.2


160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。)

18

31.72

18.81

27.78%

75.72


160800xx99xxxx 股関節・大腿近位の骨折「手術なし」

12

18.83

15.20

75%

81.17


070230xx01xxxx
膝関節症(変形性を含む。)
10 35.3 23.36 0.00% 75.6
160760xx97xx0x 前腕の骨折

-

-

5.18

-

-

 

160980xx99x0xx 骨盤損傷 - -  19.06 - -  
<解説>
 整形外科では、高齢者の転倒による「股関節・大腿近位の骨折」の手術施行症例が最も多くなっています。また転倒等の原因による「胸椎、腰椎以下骨折損傷」や「股関節・大腿近位の骨折の手術なし」、「前腕の骨折」、「骨盤骨折」が上位を占めています。「膝関節症(変形性を含む。) 」も高齢者に多い疾患で手術施行症例となっています。

泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均在院日数 (自院)
平均在院日数(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx03x0xx
膀胱腫瘍
53 7.13 7.13 0.00% 77.7
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍

37

3.11

2.54

0.00%

72.05


110200xx02xxxx 前立腺肥大症等

25

9.84

8.52

0.00%

75.36


110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全

14

4.71

8.15

0.00%

68.79


11012xxx020x0x 上部尿路疾患

-

-

5.67

-

-


<解説> 
 泌尿器科では、「膀胱腫瘍」に分類される膀胱の良性腫瘍や悪性腫瘍(がん)が最も多く、2020年度は膀胱悪性腫瘍手術を施行する症例が53件ありました。次いで、「前立腺の悪性腫瘍」に分類される前立腺癌や癌の有無を調べるための検査入院(前立腺針生検法)、続いて「前立腺肥大症等」に関する手術を施行する症例、「慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全」で透析を必要とする症例、「上部尿路疾患」(尿路感染症など)が上位を占めています。

消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均在院日数 (自院)
平均在院日数(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。)

46

2.11

2.66

0.00%

71.61


060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎「手術有り」

30

6.37

9.53

13.33

79.2


06007xxx97x00x
膵臓、脾臓の腫瘍
- - 12.33 - -
060280xxxxxxxx アルコール性肝障害

-

-

13.95

-

-


060340xx99x0xx 胆管(肝内外)結石、胆管炎「手術なし」

-

-

9.76

-

-


<解説>
 消化器内科では、「小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。)」いわゆる大腸ポリープの切除術が一番多く、「胆管(肝内外)結石、胆管炎 手術有り」の分類で、内視鏡的手術を施行する症例と併せて消化器内科での大部分を占めています。そのほか「膵臓、脾臓の腫瘍」(主に膵癌の対症療法)や「アルコール性肝障害」に分類される肝炎や肝硬変、「胆管(肝内外)結石、胆管炎 手術なし」に分類されている胆管炎や胆のう炎で、内視鏡的手術を施行しない症例が多くなっています。当院では平成27年4月から消化器内科を標榜し、専門医が身体に負担の少ない内視鏡を中心とした治療を行っています。

 

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数(ファイルをダウンロード

 

初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌

-

-

-

-

-

-

1

8

大腸癌

10

-

-

-

-

13

1

8

乳癌

-

-

-

-

-

-

1

8

肺癌

-

-

-

-

-

12

1

8

肝癌

-

-

-

-

-

-

1

8

病期分類基準(※) 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約

<定義>
・5大癌について、初発患者はUICC(*1)のTNM(*2)から示される病期分類による患者数を、再発患者(再発部位によらない)は期間内の患者数を示す。
・患者数は延患者数とする。
・TNM分類が不正確等で病期(Stage)が不明な場合は、「不明」としてカウントする。
・stageが「0」のものは集計対象外とする。
・患者数が10未満の数値の場合は、-(ハイフン)を入力する。

 

<解説>

5大癌のうち、当院では大腸癌が最も多く、次いで胃癌となっています。大腸癌ではStageIの段階で早期発見された症例が一番多くなっていますが、StageIII~StageIVと癌が進行してから初めて受診し、発見にいたる症例も多く見られます。高次医療機関で初回治療を終了した患者様の継続治療や経過観察、緩和ケアなども積極的に行っています。

「初発」とは、当院において、その腫瘍の診断、診断と初回治療(*3)、あるいは初回治療を実施した場合を指します。
「再発」とは、当院か他施設かを問わずに初回治療が完了した後、当院において患者様を診療した場合や、治療がん寛解後に局所再発・再燃または新たな遠隔転移をきたした場合を指します。
がんの進展度にかかわらず(はじめから遠隔転移がある進行がんで見つかった場合でも)、入院時に初発であれば、初発として集計しています。
一連の治療期間中(*4)(がんに対する化学療法を何回かの入院に分けて行ったような場合)の各入院においては、一番初めの状態で初発か再発かを分けています。一連の治療期間中であっても、遠隔転移などを認めた場合には再発としています。

 

(*1)UICCとは…UICC(Unio Intemationalis Contra Cancrum、2010年より英名はUnion for International Cancer Control)は、国際対がん連合のことです。
(*2)TNMとは…がんの進行度を一定の基準を設けて分類したものです。
   T:原発腫瘍の進展範囲(大きさ・浸潤の程度)

   N:所属リンパ節転移の有無と進展範囲

   M:遠隔転移の有無

   これらを総合的に組み合わせて、stage0~stageIVの病期が決まります。

(*3)初回治療とは…がんに対して、初めに計画された一連の治療(*4)を指します。
(*4)一連の治療とは…治療計画後再評価までの間に行われる治療を総括して指します。

(例)手術後、化学療法4クール行った後再評価、という事例であれば、これら全てが一連の治療となり、入院回数は問いません。

※患者様側の意向により、精査を希望されなかった場合など、退院時点でがんの存在や進展度が明らかでないものも不明件数に含みます。
※病期分類は、がんの進行状態を表わす値で、Stage0からStageIVまであり、StageIVが最も進行している状態を意味します。

 

成人市中肺炎の重症度別患者数等(ファイルをダウンロード

患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症

-

-

-

中等症

24

10.25

82.21

重症

15

27

87.33

超重症

-

-

-

不明

-

-

-

<定義>
・成人の市中肺炎(*1)を対象につき、重症度別に患者数、平均在院日数、平均年齢を示す。
・入院の契機となった傷病名および医療資源を最も投入した傷病名に対するICD10コード(*2)がJ13~J18$で始まるものに限定する。
・重症度分類は、A-DROPスコアを用い、軽症~超重症の4段階で表記する。
・患者数が10未満の数値の場合は、-(ハイフン)を入力する。

 

(*1)市中肺炎とは
普段の社会生活(病院外で日常生活)を送っている中で発症した肺炎のことである。
(*2)ICD10コードとは
 「疾病および関連保健問題の国際統計分類:International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems(以下ICDと略)」とは、異なる国や地域から、異なる時点で集計された死亡や疾病のデータの体系的な記録、分析、解釈及び比較を行うため、世界保健機関憲章に基づき、世界保健機関(WHO)が作成した分類である。【引用元:厚生労働省ホームページ「疾病、傷害及び死因の統計分類」とは】

 

<解説>
当院では中等症の患者様が市中肺炎全体の約半数(48.9%)を占めています。重症以上になると、平均在院日数が27日以上となり、平均年齢も高くなる傾向にあります。
肺炎の重症度分類とは、市中肺炎ガイドラインによる重症度分類システム(A-DROPシステム)により、以下のとおり分類されています。
Age(年齢) 男性70歳以上、女性75歳以上
Dehydration(脱水) BUN 21mg/dL以上 または脱水あり
Respiration SpO2<=90%(PaO2 60Torr以下)
Orientation(意識障害) 意識障害あり
Pressure(収縮期血圧) 収縮期血圧90mmHg以下
※5点満点で、1項目該当すれば1点、2項目該当すれば2点。
軽症 :0点の場合。
中等症:1~2点の場合。
重症 :3点の場合。
超重症:4~5点の場合。ただし、ショックがあれば1項目のみでもt超重症とする。
不明 :重症度分類の各因子が1つでも不明な場合。

脳梗塞のICD10別患者数等(ファイルをダウンロード

ICD10 傷病名 発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
I63$ 脳梗塞 3日以内

49

18.57

78.98

18.03%

その他

12

25.58

78.08

9.84%

 <定義>
・脳梗塞の患者数、平均在院日数、平均年齢、転院率を示す。
・最も医療資源を投入した傷病のICD10(*1)がI63$「脳梗塞」の症例を集計する。
・発症日から「3日以内」「その他」に分けた数値を記載する。

(*1)ICD10とは
「疾病および関連保健問題の国際統計分類:International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems(以下ICDと略)」とは、異なる国や地域から、異なる時点で集計された死亡や疾病のデータの体系的な記録、分析、解釈及び比較を行うため、世界保健機関憲章に基づき、世界保健機関(WHO)が作成した分類である。【引用元:厚生労働省ホームページ「疾病、傷害及び死因の統計分類」とは】

<解説>
当院では発症日から3日以内の方が大半であり、その多くが緊急入院となっています。脳梗塞での入院期間はリハビリ等も含めて約1ヶ月以内の方が多く、転院先としては、回復期リハビリテーション病棟や療養病棟がある病院となっています。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)(ファイルをダウンロード

<定義>
・診療科別に手術件数の多い順に5術式について、患者数、術前日数、術後日数、転院率、平均年齢を示す。
・輸血関連(K920$)は除外。
・創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術、およびすべての加算は除外。
・術前日数は入院日から手術日まで(手術日当日は含まない)の日数、術後日数は手術日から(手術日当日は含まない)退院日(または転棟日)まで。
・患者数が10未満の数値の場合は、-(ハイフン)を入力する。

内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみ)

21

2.52

14.9

4.76%

80.95


K654 内視鏡的消化管止血術

20

4.9

18.2

15%

78.6


K688 内視鏡的胆道ステント留置術

11

4.27

18.55

0%

82.91


K722 小腸結腸内視鏡的止血術

-

-

-

-

-


K6872 内視鏡的胆道ステント留置術

-

-

-

-

-


K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満)

 -

 -  -  -  -  
<解説>
内科での手術症例は内視鏡を用いた術式が多く、膵胆道系疾患の治療のために行う内視鏡的乳頭切開術、上部消化管出血等の際に適用となる内視鏡的消化管止血術、胆管狭窄や閉塞性黄疸等に対する内視鏡的胆道ステント留置術など、上位すべてが内視鏡での手術となっています。大腸ポリープ切除術はクリニカルパスによる1泊2日での入院で対応しています。

外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術

20

0.85

3.7

0.00%

61.4


K6335 鼠径ヘルニア手術

16

1.25

2.75

0.00%

77.44


K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側)

11

1

2.91

0.00%

74


K7193 結腸切除術(全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術) 10 3.6 16.4 0.00% 78.5
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの)

-

-

-

-

-


K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術

-

-

-

-

-


<解説>
外科では消化器系の手術が中心となっています。最も多いのは胆のう結石や胆のう炎に対する腹腔鏡下胆嚢摘出術です。次いで、開腹手術による鼠径ヘルニア手術、腹腔鏡下手術による腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術となっています。虫垂切除術や結腸の悪性腫瘍手術等も、体への負担が少なく、短期間の入院で手術が可能になる腹腔鏡手術が多くなっています。

整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(大腿)

34

4.5

39.06

23.53%

82.44


K0811 人工骨頭挿入術(股)

23

5.83

51.3

17.39%

86.91


K0462 骨折観血的手術(前腕)

14

2.86

20.43

0.00%

65.14


K0821 人工関節置換術(膝)

13

1.15

35.62

0.00%

75.08


K0483 骨内異物(挿入物を含む)除去術(下腿)

10

0.9

2.9

0.00%

58.5


<解説>
整形外科での手術症例は大腿骨頚部骨折等に対する骨折観血的手術(大腿)や人工骨頭挿入術(股)が多く行われています。次いで前腕骨骨折に対する骨折観血的手術(前腕)や、変形性膝関節症に対する人工関節置換術(膝)、骨折観血手術後に内副子(ねじやプレートなど)を抜去する骨内異物(挿入物)除去術など、多岐にわたって行われています。

泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用)

57

2

4.47

0.00%

77.89


K8411 経尿道的前立腺手術(電解質溶液利用)

25

1.68

7.16

0.00%

75.36


K6121イ 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純)

16

2.63

6.94

6.25%

68.94


K783-2 経尿道的尿管ステント留置術

12

0.33

3.33

0.00%

70.33


K7812 経尿道的尿路結石除去術(その他)

-

-

-

-

-


<解説>
泌尿器科では膀胱癌等に対する膀胱悪性腫瘍手術の割合が最も多くを占めています。次いで前立腺肥大症に対する経尿道的前立腺手術、慢性腎不全等に対して血液透析を導入するための内シャント設置術、尿管狭窄や水腎症に対して行われる経尿道的尿管ステント留置術、腎結石や尿管結石等に対して行われる経尿道的尿路結石除去術が上位となっています。

消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満)

34

0.03

1

0.00%

70.44


K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみ)

13

0.69

8.15

30.77%

79


K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm以上)

13

0.15

3.38

0.00%

75.77


K688 内視鏡的胆道ステント留置術

12

0.58

4.25

8.33

76.83


K654 内視鏡的消化管止血術

-

-

-

-

-


<解説>
消化器内科では内視鏡を用いた手術を中心に行っています。中でも大腸ポリープ切除術が最も多く、クリニカルパスを使った1泊2日での入院が大半を占めています。その他、胆道系の結石摘出等の治療を行う内視鏡的乳頭切開術や、胆管の閉塞や狭窄に対する胆道ステント留置術、出血性胃潰瘍などの上部消化管出血の治療として、内視鏡的消化管止血術も多く行っています。
 

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)(ファイルをダウンロード

DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一

-

-

異なる

-

-

180010 敗血症 同一

12

0.72%

異なる

11

0.66%

180035 その他の真菌感染症 同一

-

-

異なる

-

-

180040 手術・処置等の合併症 同一

-

-

異なる

-

-

<定義>
・医療資源を最も投入した傷病名が播種性血管内凝固症候群(DPC6桁130100)、敗血症(DPC6桁180010)、その他の真菌感染症(DPC6桁180035)、手術・処置等の合併症(DPC6桁180040)について、入院の契機となった傷病名(DPC6桁レベル)の同一性の有無を区別して症例数と発生率ををカウントする。
・手術・処置等の合併症について、その内訳を説明に記す。
・患者数が10未満の数値の場合は、-(ハイフン)を入力する。

 

<解説>
重篤な疾患であるDIC(播種性血管内凝固症候群)(*1)、敗血症(*2)、その他の真菌症、手術・処置後の合併症について、入院時に診断した傷病名と、入院中の主な治療目的の傷病名に同一性があるかを区別し、患者数と発症率を示したものです。当院では高齢の患者様が多いという特徴もあり、何らかの菌が血液中に入って活動し(菌血症)、重篤な臓器障害を引き起こし、敗血症の診断となる方が多く見受けられます。
当院で発生している手術・処置等の合併症の多くは、治療のために体内に挿入したカテーテルに関連する感染症や、手術後の創部感染などが多く見受けられました。これらの発生率は少ないですが、合併症が起こる原因も患者様の状態によって様々であり、手術や処置を行う前に、十分な説明とお互いの理解度を確認しながら治療を行っていくことが大切になります。

(*1)DIC(播種性血管内凝固症候群)とは
基礎疾患によるさまざまな病態、外傷、手術、抗腫瘍薬(こうしゅようやく)投与などに併発する症候群です。全身の細小血管内に血栓が形成され、その結果、凝固因子や血小板の消費性減少と、線溶反応の活性化が起こり、各種臓器の虚血性機能不全とともに、出血傾向が現れます。原疾患の治療ととのみ抗凝固薬、抗線溶薬(こうせんようやく)、血栓溶解薬などが投与されます。
予後は原疾患により異なりますが、早期からの積極的な治療により救命できることもあります。【引用元:メディカルiタウン 病気辞典】

(*2)敗血症とは
肺炎や腎盂腎炎(じんうじんえん)など生体のある部分で感染症を起こしている場所から血液中に病原体が入り込み、重篤な全身症状を引き起こす症候群です。
背景として悪性腫瘍、血液疾患、糖尿病、肝・腎疾患、膠原病(こうげんびょう)といった基礎疾患がある場合、あるいは未熟児、高齢者、手術後といった状態である場合が多いとされています。【引用元:メディカルiタウン 病気辞典】

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令和3年9月30日  令和2年度病院情報を公開