病院情報の公開(令和4年度)

令和4年度 秩父市立病院 病院情報

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞のICD10別患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

年齢階級別退院患者数(ファイルをダウンロード(zip:1KB)

 
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数

21

10

15

24

40

89

183

364

542

208

<定義>
調査対象となる一般病棟への入院患者数を年齢階級別(10歳刻み)で示す。
年齢階級は90歳以上を1つの階級として設定する。
患者数が10未満の場合は、-(ハイフン)を入力する。

<解説>
当院では全病棟において年間約2,000人の患者様が入退院されていましたが、2020年度以降は減少傾向となっています。新型コロナウイルス感染症対策による病棟のゾーニングをはじめ、様々な影響を受け、2022年度は1,496人まで減少しました。
当院では60歳以上の患者様が全体の約86%を占めており、全体的には昨年同様に高齢者の受診が多い地域といえます。最も患者数が多い年齢層は80~89歳(542人)で全体の約36%となっています。
 

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)(ファイルをダウンロード(ZIP:2KB)

<定義>
各診療科別に患者数の多いDPC14桁分類について、DPCコード(*1)、名称、患者数、当院の平均在院日数、全国の平均在院日数、転院率、平均年齢、解説を示す。
「転院」については、退院先が「他の病院・診療所への転院」とし、転院患者数/全退院数を転院率とする。
上位3位までの患者数が全て10件未満の場合は、その診療科の表の掲載は不要。
患者数が10未満の数値の場合は、-(ハイフン)を入力する。

(*1)DPCコードとは
「DPC」とは、Diagnosis(診断) Procedure(処置[手術・検査等]) Combination(組合わせ) の略称で、「診断群分類」を意味します。患者様の病名が確定し、その病名に対してどんな手術や処置等が行われたか、またどんな併存症(定義副傷病)が存在したかなどによって細分類化され、14桁の診断群分類コードで数値表現したものです。
 
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均在院日数(自院) 平均在院日数(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
180030xxxxxx0x
その他の感染症(真菌を除く。)

50

18.28
9.48 32.65 82.51  
110310xx99xxxx
腎臓又は尿路の感染症
49
23.4
21.11 16.13 84.13  
050130xx9900x0
心不全
41 25.2 17.54 9.68 84.26  
040081xx99x0xx
誤嚥性肺炎
34
21.5 8.94 3.57 80.68  
060340xx03x00x
胆管(肝内外)結石、胆管炎 30 9 15.97 45 71.9
<解説>
内科で最も多かった診断群分類は「その他の感染症(真菌を除く。)」となり、当院では新型コロナウイルス感染症の患者様が多数を占める結果となりました。次いで「腎臓又は尿路の感染症」、「心不全」、「誤嚥性肺炎」に分類される症例が上位を占めています。「腎臓又は尿路の感染症」の分類には、尿道口から菌が侵入し体内で繁殖する尿路感染症や、腎盂・腎杯さらに腎実質が炎症を起こす腎盂腎炎などがあります。誤嚥性肺炎は、嚥下機能の低下による誤嚥が起因となって発症する肺炎です。心不全は、さまざまな要因によって心臓の主機能に障害が引き起こされる病態です。双方とも高齢者が多い当院の特徴といえます。その他、「胆管(肝内外)結石、胆管炎」に分類される胆管結石や、胆管に細菌感染が起こる急性胆管炎、脳の血管に血行不良を起こす「脳梗塞」の症例も多くみられます。内科では幅広い疾患に対し、他診療科との連携を図りながら対応しています。

 

外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均在院日数(自院)
平均在院日数(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx
鼠径ヘルニア(15歳以上)
25
4.28
4.59
0%

73.84


060210xx99000x
ヘルニアの記載のない腸閉塞
11 7.55
9
9.09% 65.09
060150xx03xxxx
虫垂炎 虫垂切除術あり(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等)
- -
5.32
-
-

060330xx02xxxx
胆嚢疾患(胆嚢結石など)腹腔鏡下胆のう摘出術あり
-
-
6.07
-
-

160100xx97x00x
頭蓋・頭蓋内損傷(その他の手術あり)
-
-
10.14
-
-

<解説>
外科では、「鼡径ヘルニア(15歳以上)」で手術をする症例が最も多くを占めています。次いで「ヘルニアの記載のない腸閉塞」「虫垂炎」「胆嚢疾患(胆嚢結石など)」となっており、いずれも手術施行症例です。「頭蓋・頭蓋内損傷」に対する(その他の手術)とは、頭部以外で何らかの処置が必要となり、輸血などを施行した症例となっています。上位2症例以下は、患者数が10件未満のため(入力規則により)非表示となっています。(以降の診療科も同様)

 

整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均在院日数(自院)
平均在院日数(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx
股関節・大腿近位の骨折(手術あり)
71 59.1
26.42 22.22%
82.63
 
160690xx99xxxx
胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。)
11
30.6 20.09
11.11% 75.89  
160800xx99xxx0
股関節・大腿近位の骨折(手術なし)
-
-
14.51
-
-
 
160760xx97xx0x
前腕の骨折
-
-
4.86
-
-
 
160980xx99x0xx 骨盤損傷(手術なし)
-
-
19.98
- -
 
<解説>
整形外科では、高齢者の転倒による「股関節・大腿近位の骨折」(脚の付け根・太もも部の骨折)で手術施行となる症例が最も多くなっています。次いで、同じく転倒によって生じる胸椎骨折や腰椎圧迫骨折などの「胸椎、腰椎以下骨折損傷」や、肘部から手首にかけての「前腕の骨折」、恥骨骨折や坐骨骨折を含む「骨盤損傷」の分類が上位を占めています。
 
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均在院日数 (自院)
平均在院日数(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx03x0xx

膀胱腫瘍

41
6.31 6.85 0%
78.44
 
110080xx991xxx
前立腺の悪性腫瘍(検査あり) 36
3 2.45 0%
70.72  

110200xx02xxxx

前立腺肥大症等(手術あり) 16 10.19 7.82 0%
73.44  

110280xx02x00x

慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全(内シャント造設術等あり) 11 3.8 7.59  0% 76.6  
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 10 9.9 11.77 0% 70
<解説>
泌尿器科では、「膀胱腫瘍」に分類される膀胱の良性腫瘍や悪性腫瘍(がん)が最も多くなっています。2位は「前立腺の悪性腫瘍」ですが、このDPCコードは前立腺がんの有無を調べる検査入院(前立腺針生検法)の患者数となります。3位は「前立腺肥大症等」で手術を施行する症例、4位と5位は「慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全」の分類で、4位は血液透析を行うための血管を確保する「内シャント造設術」(動脈と静脈をつなぎ合わせ血流量の多い血管をつくる)目的の症例で、5位は透析を必要とするような慢性腎不全の症例数となっています。
 
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均在院日数(自院)
平均在院日数(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040100xxxxx00x
喘息
13
4.85 6.05 0% 3.77  
100380xxxxxxxx
体液量減少症  ー 11.15

100393xx99xxxx
その他の体液・電解質・酸塩基平衡障害

10.58

 
0400801299x012
肺炎等

15.55

 
150070x0xx01xx
川崎病(2歳以上)

9.81

<解説>
小児科では、近隣の医療機関からの紹介も含め、多くのお子様が受診しています。入院に至るケースでは「喘息」の発作や憎悪が最も多く、次いで 下痢や嘔吐によって脱水状態となる「体液量減少症」、低ナトリウム血症、高カリウム血症などの「その他の体液・電解質・酸塩基平衡障害」、「肺炎」や「川崎病」などが上位を占めています。いずれも入院期間は平均5日前後で軽快退院となるケースが多いです。

 

消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均在院日数(自院)
平均在院日数(全国)
転院率 平均年齢  患者用パス
060340xx03x00x
胆管(肝内外)結石、胆管炎(腹腔膿瘍手術等あり)
12 5.58 8.94 0% 74.83  
060100xx01xxxx
小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。)ポリープ切除術あり
- - 2.64 - -  
0400801299x010
肺炎等(市中肺炎かつ15歳以上65歳未満)
- - 12.14 - -  
060060xx9710xx 胆嚢、肝外胆管の悪性腫瘍(その他の手術あり)
- - 12.28 - -  
060340xx97x00x
胆管(肝内外)結石、胆管炎(その他の手術あり)
- - 13.18 - -  

<解説>
消化器内科では、「胆管(肝内外)結石、胆管炎」で限局性腹腔膿瘍手術等を施行した分類が一番多く、次いで大腸ポリープの切除を目的とした「小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。)」となっています。そのほか消化器疾患と合併した「肺炎等」の治療や「胆嚢、肝外胆管の悪性腫瘍(その他の手術あり)」に分類される胆のう癌、「胆管(肝内外)結石、胆管炎(その他の手術あり)」に分類されている胆管炎や胆のう炎など、なんらかの手術を施行した症例が上位となっています。当院では平成27年4月から消化器内科を標榜し、専門医が身体に負担の少ない内視鏡を中心とした治療を行っています。

 

 

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数(ファイルをダウンロード(ZIP:1KB)

 

初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌

-

-

-

-

-

-

1

8

大腸癌

-

-

-

-

-

15

1

8

乳癌

-

-

-

-

-

-

1

8

肺癌

-

-

-

-

-

10

1

8

肝癌

-

-

-

-

-

-

1

8

病期分類基準(※) 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約

 

<定義>
5大癌について、初発患者はUICC(*1)のTNM(*2)から示される病期分類による患者数を、再発患者(再発部位によらない)は期間内の患者数を示す。
患者数は延患者数とする。
TNM分類が不正確等で病期(Stage)が不明な場合は、「不明」としてカウントする。
stageが「0」のものは集計対象外とする。
患者数が10未満の数値の場合は、-(ハイフン)を入力する。

<解説>
5大癌のうち、当院では初発・再発ともに大腸癌が最も多くなっています。高次医療機関で初回治療を終了した患者様の継続治療や経過観察、緩和ケアなども積極的に行っています。原発巣術後の患者様が多いため、初発で5大癌の原発巣が主病名となる症例は少なく、どの部位も10件未満となっており、術後の対症療法を行う症例が多くを占めています。

「初発」とは、当院において、その腫瘍の診断、診断と初回治療(*3)、あるいは初回治療を実施した場合を指します。
「再発」とは、当院か他施設かを問わずに初回治療が完了した後、当院において患者様を診療した場合や、治療がん寛解後に局所再発・再燃または新たな遠隔転移をきたした場合を指します。
がんの進展度にかかわらず(はじめから遠隔転移がある進行がんで見つかった場合でも)、入院時に初発であれば、初発として集計しています。
一連の治療期間中(*4)(がんに対する化学療法を何回かの入院に分けて行ったような場合)の各入院においては、一番初めの状態で初発か再発かを分けています。一連の治療期間中であっても、遠隔転移などを認めた場合には再発としています。

 

(*1)UICCとは UICC(Unio Intemationalis Contra Cancrum、2010年より英名はUnion for International Cancer Control)は、国際対がん連合のことです。
(*2)TNMとは がんの進行度を一定の基準を設けて分類したものです。
   T:原発腫瘍の進展範囲(大きさ・浸潤の程度)
   N:所属リンパ節転移の有無と進展範囲 
   M:遠隔転移の有無
   これらを総合的に組み合わせて、stage0~stage4.の病期が決まります。
(*3)初回治療とは  がんに対して、初めに計画された一連の治療(*4)を指ます。
(*4)一連の治療とは 治療計画後再評価までの間に行われる治療を総括して指します。
   (例)手術後、化学療法4クール行った後再評価、という事例であれば、これら全てが一連の治療となり、入院回数は問いません。

※患者様側の意向により、精査を希望されなかった場合など、退院時点でがんの存在や進展度が明らかでないものも不明件数に含みます。
※病期分類は、がんの進行状態を表わす値で、Stage0からStage4.まであり、Stage4.が最も進行している状態を意味します。

成人市中肺炎の重症度別患者数等(ファイルをダウンロード(ZIP:1KB)

患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症

-

-

-

中等症

47

21.96

81.3

重症

42

32.19

85.12

超重症

21

20.86

85.48

不明

-

-

-

<定義>
成人の市中肺炎(*1)を対象につき、重症度別に患者数、平均在院日数、平均年齢を示す。
入院の契機となった傷病名および医療資源を最も投入した傷病名に対するICD10コード(*2)がJ13~J18$で始まるものに限定する。
重症度分類は、A-DROPスコアを用い、軽症~超重症の4段階で表記する。重症度分類の各因子が一つでも不明な場合は「不明」と分類する。重症度の計算には年齢・性別因子を考慮する。
患者数が10未満の数値の場合は、-(ハイフン)を入力する。

(*1)市中肺炎とは
普段の社会生活(病院外で日常生活)を送っている中で発症した肺炎のことである。
(*2)ICD10コードとは
 「疾病および関連保健問題の国際統計分類:International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems(以下ICDと略)」とは、異なる国や地域から、異なる時点で集計された死亡や疾病のデータの体系的な記録、分析、解釈及び比較を行うため、世界保健機関憲章に基づき、世界保健機関(WHO)が作成した分類である。【引用元:厚生労働省ホームページ「疾病、傷害及び死因の統計分類」とは】

 

<解説>
日本の2020年度死因別統計第5位が「肺炎」であり、高齢化に伴い年々増加しています。昨年度の当院では中等症と重症の患者様が市中肺炎全体の約79%を占め、超重症の患者様も含めると約97%にもなります。肺炎に罹患した患者様全体の平均年齢は約83歳で、重症の方の平均在院日数が最も長くなっています。超重症の平均在院日数が重症より下回っている理由は、残念ながらお亡くなりになる患者様が多いからと思われます。

 

脳梗塞のICD10別患者数等(ファイルをダウンロード(ZIP:1KB)

ICD10 傷病名 発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
I63$ 脳梗塞 3日以内

56

24.91

77.50

30.35%

その他

13

25.92

78.69

15.38%

 <定義>
脳梗塞の患者数、平均在院日数、平均年齢、転院率を示す。
最も医療資源を投入した傷病のICD10(*1)がI63$「脳梗塞」の症例を集計する。
発症日から「3日以内」「その他」に分けた数値を記載する。
「転院」については、退院先が「他の病院・診療所への転院」とし、転院患者数/全退院数を転院率とする。

(*1)ICD10とは
「疾病および関連保健問題の国際統計分類:International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems(以下ICDと略)」とは、異なる国や地域から、異なる時点で集計された死亡や疾病のデータの体系的な記録、分析、解釈及び比較を行うため、世界保健機関憲章に基づき、世界保健機関(WHO)が作成した分類である。【引用元:厚生労働省ホームページ「疾病、傷害及び死因の統計分類」とは】

<解説>
当院では発症日から3日以内の方が大半であり、その多くが緊急入院となっています。入院全体の患者数が減少傾向であるにもかかわらず、脳梗塞での入院患者数は前年度とほぼ変わりありません。通常約1ヶ月程度の入院期間で治療とリハビリを行いますが、急性期治療後にリハビリ目的として他病院へ転院するケースもあります。転院先としては、回復期リハビリテーション病棟や療養病棟がある病院となっています。
 

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)(ファイルをダウンロード(1KB)

<定義>
診療科別に手術件数の多い順に5術式について、患者数、術前日数、術後日数、転院率、平均年齢を示す。
輸血関連(K920$)は除外。
創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術などの軽微な手術、および全ての加算は除外。
術前日数は入院日から手術日まで(手術日当日は含まない)の日数、術後日数は手術日から(手術日当日は含まない)退院日(または転棟日)まで。
「転院」については、退院先が「他の病院・診療所への転院」とし、転院患者数/全退院数を転院率とする。
上位3位までの患者数が全て10件未満の場合は、その診療科の表の掲載は不要。
手術は細項目を含むKコードごとに集計する。
患者数が10未満の数値の場合は、-(ハイフン)を入力する。
 
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6871
内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみ)
25
2.17
14.91
0%
80.17
 
K654 内視鏡的消化管止血術
17 3.25
14.63
6.25%
75.25
 
K688
内視鏡的胆道ステント留置術
15
0.53
11.67
6.67%
79.6  
K722
小腸結腸内視鏡的止血術
-
-
-
-
-
 
K7211
内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満)
-
-
-
-
-
 
<解説>
内科での手術症例は内視鏡を用いた術式が多く、昨年度多かった術式は、膵胆道系疾患の治療のために行う「内視鏡的乳頭切開術」、そして上部消化管出血等の際に適用となる「内視鏡的消化管止血術」でした。その他、胆管狭窄や閉塞性黄疸等に対する「内視鏡的胆道ステント留置術」や、小腸、結腸内出血に対して行われる「小腸結腸内視鏡的止血術」などが上位を占めています。「内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術」は、消化器内科でも行っていますが、クリニカルパスによる1泊2日での入院で対応しています。
 
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6335
鼠径ヘルニア手術

19

1 2.06
0%
75.33
 
K672-2
腹腔鏡下胆嚢摘出術
12
1 3.83
0%
68.58
 
K718-21
腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの)
- - - - -  
K634
腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側)
- - - - -  
K719-3
腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術
- - - - -
<解説>
外科で最も多かったのは開腹による鼠径ヘルニア手術です。近年腹腔鏡での手術が中心となってきており、2位以降は腹腔鏡下での手術となっています。胆のう結石や胆のう炎に対する「腹腔鏡下胆嚢摘出術」、虫垂炎に対する「腹腔鏡下虫垂切除術」、腹腔鏡での鼡径ヘルニア手術である「腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側)」、大腸(直腸を除く)のがんを切除するための「腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術」となっています。腹腔鏡を使用することにより、患者さんへの身体的負担の軽減と入院期間の短縮が見込まれます。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461
骨折観血的手術(大腿)
48 5.39

51.44

21.95%
84
 
K0811
人工骨頭挿入術(股)
48
6.56
44.24
20%
81.32
 
K0462
骨折観血的手術(下腿)

15

4.67
23.87
0%
63.87
 
K0463
骨折観血的手術(鎖骨)
- - - - -  
K0463
骨内異物(挿入物を含む)除去術(前腕)
- - - - -
<解説>
整形外科での手術症例は、大腿骨(股関節)骨折に対する「骨折観血的手術(大腿)」や「人工骨頭挿入術(股)」で、最も多い部位となっています。次いで、脚の膝から下の部分である下腿部の骨折に対して行われる「骨折観血的手術(下腿)」、鎖骨骨折に対して行われる「骨折観血的手術(鎖骨)」となっています。「骨内異物(挿入物を含む)除去術(前腕)」は、骨折観血的手術の際、固定するために挿入した内副子(ねじやプレートなど)を抜去する手術です。
 
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ
膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用)
41 1
4.31
0%
78.44
 
K6121イ
末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純)
18
1.88 7.24 0% 73.24  
K8411
経尿道的前立腺手術(電解質溶液利用) 17 2.25
9 6.25% 71.19  
K783-2
経尿道的尿管ステント留置術

-

-

- - -  
K7812
経尿道的尿路結石除去術(その他)
- - - - -
<解説>
泌尿器科では膀胱がん等に対する内視鏡手術「膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用)」が最も多くの割合を占めています。次いで、慢性腎不全等に対して血液透析を導入するための「末梢動静脈瘻造設術(内シャント設置術)」、前立腺肥大症に対する「経尿道的前立腺手術(電解質溶液利用)」、なんらかの原因で尿管が圧迫されて腎臓に尿が溜まってしまった状態を解除するために行う「経尿道的尿管ステント留置術」、腎結石や尿管結石等に対して行われる「経尿道的尿路結石除去術」が例年上位となっています。
 
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K688
内視鏡的胆道ステント留置術
11
1
4
0%
76.91
K7211

内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満)

-

-

-

-

-


K6871
内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみ)

-

-

-

-

-


K533-2

内視鏡的食道・胃静脈瘤結紮術

-

-

-

-

-


K722
小腸結腸内視鏡的止血術

-

-

-

-

-


<解説>
消化器内科では内視鏡を用いた手術を中心に行っています。最も多かった術式は、胆管や膵管の閉塞部位にストロー状の管を留置し、胆汁や膵液の流れをよくするための「内視鏡的胆道ステント留置術」でした。2020年度までは「内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(直径2cm未満)」が最も多かったのですが、2021年度以降は10件未満となりました。これは、外来での日帰り対応が可能な手技が増加してきたためで、従来の通電式ポリープ切除術(EMR)と比較して、術後の出血率や穿孔のリスクが低いと報告がある、非通電式のポリープ切除術「コールドスネアポリペクトミー(CSP)」という手技が増加したことによるものです。このような内視鏡的手術は、内科・消化器内科双方で行っています。
 

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)(ファイルをダウンロード(ZIP:1KB)

DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一

-

-

異なる

-

-

180010 敗血症 同一

-

-

異なる

12

0.8%

180035 その他の真菌感染症 同一

-

-

異なる

-

-

180040 手術・処置等の合併症 同一

-

-

異なる

-

-

 <定義>
医療資源を最も投入した傷病名が播種性血管内凝固症候群(DPC6桁130100)、敗血症(DPC6桁180010)、その他の真菌感染症(DPC6桁180035)、手術・処置等の合併症(DPC6桁180040)について、入院の契機となった傷病名(DPC6桁レベル)の同一性の有無を区別して症例数と発生率ををカウントする。
手術・処置等の合併症について、その内訳を説明に記す。
患者数が10未満の数値の場合は、-(ハイフン)を入力する。

<解説>
重篤な疾患であるDIC(播種性血管内凝固症候群)(*1)、敗血症(*2)、その他の真菌症、手術・処置後の合併症について、入院時に診断した傷病名と、入院中の主な治療目的の傷病名に同一性があるかを区別し、患者数と発症率を示したものです。当院では高齢の患者様が多いという特徴もあり、何らかの菌が血液中に入って活動し(菌血症)、重篤な臓器障害を引き起こし敗血症の診断となる方が少なからず見られます。10件未満の症例は入力規則により数値が非表示ですが、2022年度は同一性の有無を合わせて19件、全退院患者に対する発生率は1.27%となり、決して少なくない数値です。
当院で発生している手術・処置等の合併症の多くは、治療のために体内に挿入したカテーテルに関連する感染症でした。これらの発生率は少ないですが、合併症が起こる原因も患者様の状態によって様々であり、手術や処置を行う前に、十分な説明とお互いの理解度を確認しながら治療を行っていくことが大切になります。
 

(*1)DIC(播種性[はしゅせい]血管内凝固症候群)とは
小さな血栓が全身の血管のあちこちにできて、細い血管を詰まらせる病気です。血液凝固が増加することで出血の抑制に必要な血小板と凝固因子を使い果たしてしまい、過度の出血を引き起こします。【引用元:MSDマニュアル家庭版】
(*2)敗血症とは
細菌が体内の血液の中に入り込んで、体全体に深刻な反応を引き起こしている状態です。敗血症が重くなると、いくつかの臓器が働かなくなることがあります。たとえば、腎臓で尿がつくられなくなったり、肺で酸素が取り込まれなくなったりします。【引用元:MSDマニュアル家庭版】

 

更新履歴

令和5年9月28日  令和4年度病院情報を公開