病院情報の公開(令和3年度)

令和3年度 秩父市立病院 病院情報

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞のICD10別患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

年齢階級別退院患者数(ファイルをダウンロード

 
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数

19

16

15

24

49

108

204

389

477

163

<定義>
・調査対象となる一般病棟への入院患者数を年齢階級別(10歳刻み)で示す。
・年齢階級は90歳以上を1つの階級として設定する。
・患者数が10未満の場合は、-(ハイフン)を入力する。

<解説>
当院では全病棟において年間約2,000人の患者様が入退院されていましたが、ここ数年は減少傾向となっています。
2020年度の一般病棟を経て退院した患者数は、その前年度より300人以上減少し約1,700人、さらに昨年2021年度の同患者数も1,464人となり、2年連続で大幅に減少しています。これは、新型コロナウイルス感染症対策による病棟のゾーニングをはじめ様々な影響を受け、減少したと考えられます。
60歳以上の患者様が全体の約84%を占めており、全体的には昨年と同様に高齢者の受診が多い地域といえます。最も患者数が多い年齢層は80~89歳(477人)で全体の約33%。昨年公表した2020年度のデータでは10代の患者数が減少傾向でしたが、2021年度のデータでは、数値的に少ないながらも2倍増という値になっています。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)(ファイルをダウンロード

<定義>
・各診療科別に患者数の多いDPC14桁分類について、DPCコード(*1)、名称、患者数、当院の平均在院日数、全国の平均在院日数、転院率、平均年齢、解説を示す。
・「転院」については、退院先が「他の病院・診療所への転院」とし、転院患者数/全退院数を転院率とする。
・上位3位までの患者数が全て10件未満の場合は、その診療科の表の掲載は不要。
・患者数が10未満の数値の場合は、-(ハイフン)を入力する。

(*1)DPCコードとは
「DPC」とは、Diagnosis(診断) Procedure(処置[手術・検査等]) Combination(組合わせ) の略称で、「診断群分類」を意味します。患者様の病名が確定し、その病名に対してどんな手術や処置等が行われたか、またどんな併存症(定義副傷病)が存在したかなどによって細分類化され、14桁の診断群分類コードで数値表現したものです。  
 
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均在院日数(自院) 平均在院日数(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050130xx9900xx

心不全

50

19.1

17.35

14%

83.58


040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎

45

23.2

20.57

11.11%

85.33


110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症

33

17.76

13.14

9.09%

82.42

060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎

23

12

9.21

8.7%

76.04


010060x2990401 脳梗塞 18 12.11 15.63 33.33% 71.28
<解説> 
 内科では、「心不全」に分類される症例が最も多く、次いで「誤嚥性肺炎」、「腎臓又は尿路の感染症」が上位3位を占めています。心不全は、さまざまな要因によって心臓の主機能に障害が引き起こされる病態です。誤嚥性肺炎は、嚥下機能の低下による誤嚥が起因となって発症する肺炎です。双方とも高齢者が多い当院の特徴といえます。その他、「腎臓又は尿路の感染症」に分類される腎盂腎炎や尿路感染症、「胆管(肝内外)結石、胆管炎」に分類される胆管結石や、胆管に細菌感染が起こる急性胆管炎、脳を栄養する血管に血行不良を起こす「脳梗塞」の症例も多くみられます。内科では幅広い疾患に対し、他診療科との連携を図りながら対応しています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均在院日数(自院)
平均在院日数(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上)

36

5.03

4.74

0.00%

68.42


060335xx02000x 胆嚢炎等

-

-

7.11

-

-


060150xx03xxxx 虫垂炎

-

-

5.4

-

-


060035xx010x0x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍

-

-

15.76

-

-


060040xx02000x

直腸肛門(直腸)の悪性腫瘍

 - -

14.92

 -  -
<解説>
 外科では、「鼡径ヘルニア(15歳以上)」が最も多くを占めており、次いで「胆嚢炎等」「虫垂炎」が上位3位となっています。いずれも手術施行症例です。1位の鼡径ヘルニア以外は患者数が10件未満のため(入力規則により)非表示となっていますが、4位以降の「結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍」と「直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍」はいずれも大腸のがんで、患者様の状態に応じて、手術を施行する場合や対症療法のみの場合など、様々なケースが含まれています。

 
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均在院日数(自院)
平均在院日数(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折

59

51.71

25.32

16.95%

81.92


160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。)

18

31

19.34

11.11%

80.33


160760xx97xx0x 前腕の骨折

12

3.42

4.99

0.00%

55.25


160980xx99x0xx
骨盤損傷
11 32 19.02 0.00% 78.64
160700xx97xx0x 鎖骨・肩甲骨の骨折 10 4.3  5.99 0.00% 49.9  
<解説>
 整形外科では、高齢者の転倒による「股関節・大腿近位の骨折」が最も多くなっています。脚の付け根・太もも部の骨折で、手術が必要となる場合が多い症例です。同じく転倒によって生じる胸椎骨折や腰椎圧迫骨折などの「胸椎、腰椎以下骨折損傷」や、肘部から手首にかけての「前腕の骨折」、恥骨や腸骨を損傷する「骨盤骨折」、「鎖骨・肩甲骨の骨折」が上位を占めています。

泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均在院日数 (自院)
平均在院日数(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx03x0xx
膀胱腫瘍
56 6.16 7.02 1.79% 76.79
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍

39

3

2.5

0.00%

69.92


110200xx02xxxx 前立腺肥大症等

22

9.05

8.23

0.00%

73.68


110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全

18

2.5

7.87

0.00%

64.11


110280xx9901xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全

10

9.8

13.74

0.00%

64.8


<解説> 
 泌尿器科では、「膀胱腫瘍」に分類される膀胱の良性腫瘍や悪性腫瘍(がん)が最も多くなっています。2位は「前立腺の悪性腫瘍」ですが、このDPCコードは前立腺がんの有無を調べるための検査入院(前立腺針生検法)の患者数となります。3位は「前立腺肥大症等」で手術を施行する症例、4位と5位は「慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全」の分類で、4位は血液透析を行うための内シャント造設術(動脈と静脈をつなぎ合わせ血流量の多い血管をつくる)目的の入院、5位は血液透析を導入するために入院した患者様や、特定の病態を併存している患者様が血液透析を施行した際の患者数となっています。

 

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数(ファイルをダウンロード

 

初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌

-

-

-

-

-

-

1

8

大腸癌

-

-

-

-

-

14

1

8

乳癌

-

-

-

-

-

-

1

8

肺癌

-

-

-

-

-

-

1

8

肝癌

-

-

-

-

-

-

1

8

病期分類基準(※) 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約

<定義>
・5大癌について、初発患者はUICC(*1)のTNM(*2)から示される病期分類による患者数を、再発患者(再発部位によらない)は期間内の患者数を示す。
・患者数は延患者数とする。
・TNM分類が不正確等で病期(Stage)が不明な場合は、「不明」としてカウントする。
・stageが「0」のものは集計対象外とする。
・患者数が10未満の数値の場合は、-(ハイフン)を入力する。

 

<解説>

5大癌のうち、当院では初発・再発ともに大腸癌が最も多くなっていますが、2021年度は全体的に患者数が減少傾向にあり、10件以上となったStageがありませんでした。高次医療機関で初回治療を終了した患者様の継続治療や経過観察、緩和ケアなども積極的に行っています。

「初発」とは、当院において、その腫瘍の診断、診断と初回治療(*3)、あるいは初回治療を実施した場合を指します。
「再発」とは、当院か他施設かを問わずに初回治療が完了した後、当院において患者様を診療した場合や、治療がん寛解後に局所再発・再燃または新たな遠隔転移をきたした場合を指します。
がんの進展度にかかわらず(はじめから遠隔転移がある進行がんで見つかった場合でも)、入院時に初発であれば、初発として集計しています。
一連の治療期間中(*4)(がんに対する化学療法を何回かの入院に分けて行ったような場合)の各入院においては、一番初めの状態で初発か再発かを分けています。一連の治療期間中であっても、遠隔転移などを認めた場合には再発としています。

 

(*1)UICCとは UICC(Unio Intemationalis Contra Cancrum、2010年より英名はUnion for International Cancer Control)は、国際対がん連合のことです。
(*2)TNMとは がんの進行度を一定の基準を設けて分類したものです。
   T:原発腫瘍の進展範囲(大きさ・浸潤の程度)
   N:所属リンパ節転移の有無と進展範囲 
   M:遠隔転移の有無
   これらを総合的に組み合わせて、stage0~stageIVの病期が決まります。
(*3)初回治療とは  がんに対して、初めに計画された一連の治療(*4)を指ます。
(*4)一連の治療とは 治療計画後再評価までの間に行われる治療を総括して指します。
(例)手術後、化学療法4クール行った後再評価、という事例であれば、これら全てが一連の治療となり、入院回数は問いません。

※患者様側の意向により、精査を希望されなかった場合など、退院時点でがんの存在や進展度が明らかでないものも不明件数に含みます。
※病期分類は、がんの進行状態を表わす値で、Stage0からStageIVまであり、StageIVが最も進行している状態を意味します。

 

成人市中肺炎の重症度別患者数等(ファイルをダウンロード

患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症

-

-

-

中等症

13

23.69

83.92

重症

-

-

-

超重症

-

-

-

不明

-

-

-

<定義>
・成人の市中肺炎(*1)を対象につき、重症度別に患者数、平均在院日数、平均年齢を示す。
・入院の契機となった傷病名および医療資源を最も投入した傷病名に対するICD10コード(*2)がJ13~J18$で始まるものに限定する。
・重症度分類は、A-DROPスコアを用い、軽症~超重症の4段階で表記する。重症度分類の各因子が一つでも不明な場合は「不明」と分類する。重症度の計算には年齢・性別因子を考慮する。
・患者数が10未満の数値の場合は、-(ハイフン)を入力する。

(*1)市中肺炎とは
普段の社会生活(病院外で日常生活)を送っている中で発症した肺炎のことである。
(*2)ICD10コードとは
 「疾病および関連保健問題の国際統計分類:International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems(以下ICDと略)」とは、異なる国や地域から、異なる時点で集計された死亡や疾病のデータの体系的な記録、分析、解釈及び比較を行うため、世界保健機関憲章に基づき、世界保健機関(WHO)が作成した分類である。【引用元:厚生労働省ホームページ「疾病、傷害及び死因の統計分類」とは】

 

<解説>
 当院では中等症の患者様が市中肺炎全体の43.3%を占め、重症の患者様も含めると60%を超えてきます。肺炎に罹患した患者様の平均年齢は78.1歳で、軽症以上は平均在院日数も長くなることが分かります。
肺炎の重症度分類とは、市中肺炎ガイドラインによる重症度分類システム(A-DROPシステム)により、以下のとおり分類されています。
Age(年齢) 男性70歳以上、女性75歳以上
Dehydration(脱水) BUN 21mg/dL以上 または脱水あり
Respiration SpO2<=90%(PaO2 60Torr以下)
Orientation(意識障害) 意識障害あり
Pressure(収縮期血圧) 収縮期血圧90mmHg以下

※5点満点で、1項目該当すれば1点、2項目該当すれば2点。
軽症 :0点の場合。
中等症:1~2点の場合。
重症 :3点の場合。
超重症:4~5点の場合。ただし、ショックがあれば1項目のみでも
超重症とする。

不明 :重症度分類の各因子が1つでも不明な場合。

脳梗塞のICD10別患者数等(ファイルをダウンロード

ICD10 傷病名 発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
I63$ 脳梗塞 3日以内

47

21.7

74.91

31.67%

その他

13

38.15

77.85

10%

 <定義>
・脳梗塞の患者数、平均在院日数、平均年齢、転院率を示す。
・最も医療資源を投入した傷病のICD10(*1)がI63$「脳梗塞」の症例を集計する。
・発症日から「3日以内」「その他」に分けた数値を記載する。
・「転院」については、退院先が「他の病院・診療所への転院」とし、転院患者数/全退院数を転院率とする。

(*1)ICD10とは
「疾病および関連保健問題の国際統計分類:International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems(以下ICDと略)」とは、異なる国や地域から、異なる時点で集計された死亡や疾病のデータの体系的な記録、分析、解釈及び比較を行うため、世界保健機関憲章に基づき、世界保健機関(WHO)が作成した分類である。【引用元:厚生労働省ホームページ「疾病、傷害及び死因の統計分類」とは】

<解説>
当院では発症日から3日以内の方が大半であり、その多くが緊急入院となっています。入院全体の患者数が減少傾向であるにもかかわらず、脳梗塞での入院患者数は前年度とほぼ変わりありません。転院先としては、回復期リハビリテーション病棟や療養病棟がある病院となっています。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)(ファイルをダウンロード

<定義>
・診療科別に手術件数の多い順に5術式について、患者数、術前日数、術後日数、転院率、平均年齢を示す。
・輸血関連(K920$)は除外。
・創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術などの軽微な手術、および全ての加算は除外。
・術前日数は入院日から手術日まで(手術日当日は含まない)の日数、術後日数は手術日から(手術日当日は含まない)退院日(または転棟日)まで。
・「転院」については、退院先が「他の病院・診療所への転院」とし、転院患者数/全退院数を転院率とする。
・上位3位までの患者数が全て10件未満の場合は、その診療科の表の掲載は不要。
・手術は細項目を含むKコードごとに集計する。
・患者数が10未満の数値の場合は、-(ハイフン)を入力する。

内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K654 内視鏡的消化管止血術

24

3.92

12.21

4.17%

80.88


K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみ)

20

3.75

14.75

20%

75.35


K688 内視鏡的胆道ステント留置術

11

2.91

22.45

9.09%

79.18


K635 胸水・腹水濾過濃縮再静注法

10

0.4

4.1

0

65.8


K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満)

 -

 -  -  -  -  
<解説>
 内科での手術症例は内視鏡を用いた術式が多く、昨年度多かった施術は、上部消化管出血等の際に適用となる「内視鏡的消化管止血術」、そして膵胆道系疾患の治療のために行う「内視鏡的乳頭切開術」でした。その他、胆管狭窄や閉塞性黄疸等に対する「内視鏡的胆道ステント留置術」や、なんらかの原因で体内に貯まってしまった余分な水分(胸水や腹水)を取り出し、必要な成分のみを体内に戻す「胸水・腹水濾過濃縮再静注法」などが上位を占めています。「内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術」は、消化器内科でも行っていますが、クリニカルパスによる1泊2日での入院で対応しています。

外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6335 鼠径ヘルニア手術

19

0.89

3.16

0.00%

70.26


K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側)

17

1

3

0.00%

66.35


K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術

13

0.85

4.08

0.00%

67.23


K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) - - - - -
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術

-

-

-

-

-


<解説>
 外科では腹腔鏡での手術が中心となっています。最も多かったのは鼠径ヘルニアに対する手術です。腹腔鏡での手術と合わせると、36件となりました。次に多かった術式は、胆のう結石や胆のう炎に対する「腹腔鏡下胆嚢摘出術」です。以下「腹腔鏡下虫垂切除術」、大腸(直腸を除く)のがんを切除するための「腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術」となっています。

整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0811 人工骨頭挿入術(肩・股)

36

5.22

48.75

11.11%

81.81


K0461 骨折観血的手術(肩甲骨・上腕・大腿)

32

4.31

43.69

18.75%

79.19


K0462

骨折観血的手術(前腕・下腿・手舟状骨)

10

0.4

9.5

0.00%

55


K0463

骨折観血的手術(鎖骨・膝蓋骨・手[舟状骨を除く]・足)

-

-

-

-

-


K0483 骨内異物(挿入物を含む)除去術(前腕・下腿)

-

-

-

-

-


<解説>
整形外科での手術症例は、骨折に対する「人工骨頭挿入術」や「骨折観血的手術」が多く行われています。最も多い部位は足の付け根から膝上までの大腿部で、当院の上位2位までの多くを占めています。5位の「骨内異物(挿入物を含む)除去術」は、骨折観血的手術の際、固定するために挿入した内副子(ねじやプレートなど)を抜去する手術です。そのほか6位以降は、変形性関節症に対する人工関節置換術など、様々な手術が行われています。

泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用)

54

1.26

3.93

1.85%

76.74


K8411 経尿道的前立腺手術(電解質溶液利用)

22

1

7.05

0.00%

73.68


K6121イ 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純)

21

1.67

8.52

0.00%

66.86


K783-2 経尿道的尿管ステント留置術

14

4.93

5.29

21.43%

76.36


K7812 経尿道的尿路結石除去術(その他)

-

-

-

-

-


<解説>
 泌尿器科では膀胱がん等に対する「膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用)」が最も多くの割合を占めています。次いで前立腺肥大症に対する「経尿道的前立腺手術(電解質溶液利用)」、慢性腎不全等に対して血液透析を導入するための「末梢動静脈瘻造設術(内シャント設置術)」、なんらかの原因で尿管が圧迫されて腎臓に尿が溜まってしまった状態を解除するために行う「経尿道的尿管ステント留置術」、腎結石や尿管結石等に対して行われる「経尿道的尿路結石除去術」が例年上位となっています。

消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K688 内視鏡的胆道ステント留置術

10

0.9

8.3

30%

78.3


K664

胃瘻増設術(経費的内視鏡下胃瘻造設術、

腹腔鏡下胃瘻造設術を含む)

-

-

-

-

-


K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満)

-

-

-

-

-


K6535

内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(その他)

-

-

-

-

-


K722 小腸結腸内視鏡的止血術

-

-

-

-

-


<解説>
 消化器内科では内視鏡を用いた手術を中心に行っています。最も多かった術式は、胆管や膵管の閉塞部位にストロー状の管を留置し、胆汁や膵液の流れをよくするための「内視鏡的胆道ステント留置術」でした。2020年度までは「内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(直径2cm未満)」が最も多かったのですが、2021年度は10件未満となりました。これは、外来での日帰り対応が可能な手技が増加してきたためで、従来の通電式ポリープ切除術(EMR)と比較して、術後の出血率や穿孔率が低いと報告がある、非通電式のポリープ切除術「コールドスネアポリペクトミー(CSP)」という手技が増加したことによるものです。その他、食事が摂れなくなった人に対する「胃瘻造設術」や胃や十二指腸などの上部消化管に対するポリープ切除術なども行っています。
 

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)(ファイルをダウンロード

DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一

-

-

異なる

-

-

180010 敗血症 同一

-

-

異なる

-

-

180035 その他の真菌感染症 同一

-

-

異なる

-

-

180040 手術・処置等の合併症 同一

-

-

異なる

-

-

<定義>
・医療資源を最も投入した傷病名が播種性血管内凝固症候群(DPC6桁130100)、敗血症(DPC6桁180010)、その他の真菌感染症(DPC6桁180035)、手術・処置等の合併症(DPC6桁180040)について、入院の契機となった傷病名(DPC6桁レベル)の同一性の有無を区別して症例数と発生率ををカウントする。
・手術・処置等の合併症について、その内訳を説明に記す。
・患者数が10未満の数値の場合は、-(ハイフン)を入力する。

 

<解説>
重篤な疾患であるDIC(播種性血管内凝固症候群)(*1)、敗血症(*2)、その他の真菌症、手術・処置後の合併症について、入院時に診断した傷病名と、入院中の主な治療目的の傷病名に同一性があるかを区別し、患者数と発症率を示したものです。当院では高齢の患者様が多いという特徴もあり、何らかの菌が血液中に入って活動し(菌血症)、重篤な臓器障害を引き起こし、敗血症の診断となる方が毎年多く見られていましたが、2021年度はすべての症例数が10件未満でした。
当院で発生している手術・処置等の合併症の多くは、治療のために体内に挿入したカテーテルに関連する感染症でした。これらの発生率は少ないですが、合併症が起こる原因も患者様の状態によって様々であり、手術や処置を行う前に、十分な説明とお互いの理解度を確認しながら治療を行っていくことが大切になります。

(*1)DIC(播種性[はしゅせい]血管内凝固症候群)とは
小さな血栓が全身の血管のあちこちにできて、細い血管を詰まらせる病気です。血液凝固が増加することで出血の抑制に必要な血小板と凝固因子を使い果たしてしまい、過度の出血を引き起こします。【引用元:MSDマニュアル家庭版】
(*2)敗血症とは
細菌が体内の血液の中に入り込んで、体全体に深刻な反応を引き起こしている状態です。敗血症が重くなると、いくつかの臓器が働かなくなることがあります。たとえば、腎臓で尿がつくられなくなったり、肺で酸素が取り込まれなくなったりします。【引用元:MSDマニュアル家庭版】

 

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令和4年9月30日  令和3年度病院情報を公開