海の水が雲になり、雨や雪となって、また海に流れる。下水道は、この水の循環の一翼を担う重要なライフラインです。「使った水や雨を集めて、きれいにしてから海に還す」それが私たちの下水道です。
下水道の役割
普段は目に見えない下水道ですが、私たちの安全・安心・快適な生活を、縁の下から支えてくれています。下水道には次のような大切な役割があります。
- まちを清潔にする
汚れた水をすみやかに排除してくれる下水道のおかげで、まちが清潔に保たれ、ハエ・蚊などの害虫や悪臭の発生を防いでいます。
- まちを浸水から守る
雨みずをすみやかに排除し、まちに雨水が溜まったり水浸しにならないようにします。短時間で局地的に大量の雨が降る「ゲリラ豪雨」からも、私たちの命と暮らしを守るために頑張ります。
- 自然環境を守る
汚れた水や雨みずは、下水処理場でさまざまな処理を経てきれいな水へとよみがえります。川や海など私たちの身近な自然環境を守り、水の循環をサポートしています。
- エネルギー・資源を創る
下水処理の過程で発生したバイオガスを自動車燃料などに利用したり、下水汚泥からリンを回収して肥料を作ったり、エネルギー・資源の再生工場として活躍しています。
下水道のしくみ
- 使った水や雨みずを排除する「排水設備」
家庭や事業場から排出される汚れた水や雨みずは、建物や敷地内の排水管を通り、道路下などに埋設されている下水道管に流れ込みます。使って汚れた水を汚水(おすい)、降った雨を雨水(うすい)、これら二つを合わせて下水と呼んでいます。
- 排水を処理場まで届ける「下水道管」
集まった排水を下水処理場まで運ぶ下水道管。「汚水」と「雨水」を同一の管で排除する合流式下水道と、「汚水」と「雨水」を別々の管で排除する分流式下水道の2種類があります。
- 排水をきれいにする「下水処理場」
下水処理場は、運ばれてきた下水を元のきれいな水に戻すところです。下水処理場では、微生物の働きを利用して下水をきれいにし、川や海への影響を少なくして放流しています。
下水道の正しい使い方
下水道には流してはいけないものがあります。間違った使い方をすると、汚水の逆流や設備の故障などの重大な事故につながることがあります。みんなの下水道を大切に正しく使いましょう。
- 生ごみを捨てない
生ごみは、排水管がつまる原因になります。生ごみは容器にすてましょう。
- 油を流さない
石鹸と水と油が化合すると凝固して下水道管をつまらせます。油類は絶対に流さないでください。
- 有リン洗剤を使わない
洗濯にはリンを含まない洗剤を使いましょう。中性(有リン)洗剤は、処理場の微生物を傷め、浄化作用に影響します。
- トイレにものを流さない
水洗トイレにはトイレットペーパー以外のものは流さないようにしてください。
- 風呂場や洗面所に髪がつまっていませんか
髪の毛を流すと、つまりの原因になったり、悪臭が発生するもとになります。排水口にたまった髪の毛は、こまめに取り除くようにしましょう。
- 家の外では、年に1回排水設備の点検を!
汚水ますのふたを開けて、点検してください。異状のある場合は、下水道指定工事店へ。
【参考】下水道について〔(公社)日本下水道協会〕(外部リンク)