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ゴールデン・ウィーク、「芝桜まつり」も終わり、1学期も中盤。子どもたちの安全・安心に緊張感をもって万全を期しつつ、学力向上のための授業改善、学校のあり方改革・教員の働き方改革による業務改善に取り組んでいきたいと思います。平成29年度からの新たな取組として、「コミュニティ・スクール」が尾田蒔小学校、尾田蒔中学校、影森中学校の3校でスタートし、「チーム学校」の取組の一環として、小学校の外国語活動の充実のための外国語活動コーディネーターを各小学校に配置し、効果的に機能するよう取り組みます。
さて、昨年12月、ユネスコ無形文化遺産に登録が決定した「秩父祭」をはじめ33団体の「山・鉾・屋台行事」に対する登録証書授与式が、5月4日、富山県南砺市で開催された全国山・鉾・屋台保存連合会総会に併せて行われました。宮田亮平文化庁長官から、久喜邦康秩父市長をはじめ各団体の代表者へ、ユネスコ登録の証書が直接手渡されました。あらためて、この喜びを市民の皆さんと分かち合うとともに、ユネスコ登録の意味を考えてみたいと思います。
今回の大会の記念講演、文化人類学者・北海学園大学客員教授の岩崎まさみ氏の講演を聴きました。「文化の多様性とユネスコ無形文化遺産保護条約」という演題で、これまで漠然としていた秩父祭とユネスコ無形文化遺産登録の関係をはっきりと理解することができました。
講演の内容をかいつまんでご紹介しますと、「世界遺産は、顕著な普遍的価値や最上級の自然現象などを登録する、いわばエリート主義。これに対し、無形文化遺産は多種多様な無形文化遺産を対象とし、申請に基づき登録されることにより、それまで地域で守られてきた多様な無形文化遺産を国際的に認知し、文化の多様性に対する認識を世界的に深める、いわば平等主義に基づくもの。(秩父祭という)地域にとって価値のあるもの、地域のアイデンティティをユネスコという国際機関を通じて国際的に認知することにより、人類の多様性に対する理解を深めていこうとするもの。これはユネスコ憲章の前文で謳われている、人間の尊厳・平等・相互の尊重という民主主義の原理、平和につながっており、ユネスコ無形文化遺産を通じて文化の多様性を理解することにより、人類の相互理解を図り、知的・精神的連帯を構築し、もって恒久的世界平和を目指していく」という説明でした。
この様な人類・文化の多様性に対する理解は、学校教育でも求められる国際理解教育や人権教育においても重要な意味を持つものと考えます。今回の「秩父祭」のユネスコ登録を、秩父市の子どもたちにも地域の誇りとして伝えるとともに、その意味をわかりやすく説明していきたいと思います。
2017年5月9日