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厳しい寒さが続いています。インフルエンザにより学級閉鎖になるところもあり、子どもたちの様子が心配です。体調管理、手洗い、うがいなど健康に気をつけたいと思います。
さて、昨年12月21日に中央教育審議会から出された答申「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策について」を読んでいます。本文だけでも242ページあり、それに膨大な資料が添付されており、読み込むのは大変です。
この答申は、グローバル化、急速な情報化や技術革新による社会的変化を踏まえ、2030年の社会と、更にその先の豊かな未来において、一人一人の子どもたちが、様々な社会的変化を乗り越え、よりよい人生とよりよい社会を築いていくために教育課程を通じて初等中等教育が果たすべき役割を示すことを意図しているとされています。
ざっと内容を拝見しますと、社会に開かれた教育課程、カリキュラム・マネジメント、アクティブ・ラーニング、プログラミング教育、小学校外国語教育の教科化など、新たなキーワードが並んでいます。これらについては、本年3月に新学習指導要領が告示され、実施までの間にしっかり趣旨を理解し、必要な諸条件の整備も含め準備を進めることにしたいと思います。
本文を読んでいて特に興味深かったのが、第1部第8章の「子供一人一人の発達をどのように支援するか -子供の発達を踏まえた指導-」のところです。
(1)学習活動や学校生活の基盤となる学級経営の充実、(2)学習指導と生徒指導、(3)キャリア教育(進路指導を含む)、(4)個に応じた指導、(5)教育課程全体を通じたインクルーシブ教育システムの構築を目指す特別支援教育、(6)子供の日本語の能力に応じた支援の充実、と各学校が教育課程を編成し実施する上で、配慮すべき重要な事項について提言されています。その中で、(4)の個に応じた指導については、個別の学習支援や学習相談を通じた支援や教職員定数の充実などの指導体制確立やICT環境などの教育インフラの充実など、個に応じた指導に必要な条件整備にも言及しています。また、(5)の特別支援教育については、インクルーシブ教育システム構築の必要性を踏まえ、特別支援学校、特別支援学級、通級による指導だけではなく、通常の学級においても、一人一人の教育的ニーズに応じた指導や支援ができるようにすること、また、小・中学校と特別支援学校との教育課程の連続性についても言及されています。
特別支援教育は「個に応じた指導の老舗」であるといわれています。一人一人の子どもの実態把握から、教育内容を組み立て、教材や教育の手立てを探っていくというアプローチ。はじめに教科の目標・内容、そして教材ありきの通常の教育ではなかなか発想しにくいアプローチです。しかし、一人一人を大切にする教育においては、通常の学級においても、この特別支援教育のアプローチというものが必要になると考えます。今後、幼・小・中・高等学校の全ての教員が、このような特別支援教育の考え方や教育課程の枠組みを理解し、個に応じた指導、一人一人を最大限に伸ばす教育の取組を進めていく必要があります。また、それと同時に、それらの取組を可能にする条件整備が進められることを切に願いたいと思います。
2017年2月6日