秩父市・秩父新電力(株)・東京電力エナジーパートナー(株)の包括連携協定
令和2年3月23日、秩父市は秩父新電力(株)及び東京電力エナジーパートナー(株)との3者による包括連携協定を締結しました。
この協定は、秩父市における再生可能エネルギー(以下「再エネ」)の地産地消による環境に配慮したまちづくりと地域低炭素化及び地方創生を共に推進し、持続可能なまちづくりを進めることを目的とするものです。
全国初※となる「自治体・自治体新電力・旧一般電気事業者による3者協定」により、今後3者は包括的に連携し各種事業に取り組みます。※秩父市調べ
背景
- 秩父市は埼玉県内で唯一(令和2年3月24日現在)ゼロカーボンシティに取り組むことを宣言しており、広大な面積とその大部分が森林・山地という特性上、地域内には豊富な再エネを有しています。その反面、気候変動による自然災害の影響や少子高齢化・人口減少等により、地域におけるエネルギーインフラの存続も懸念されます。
- 秩父新電力(株)は自治体新電力会社として、ちちぶ地域における持続可能なまちづくりに向け、再エネの地産地消・地域経済の活性化を推進してきました。令和2年度からは本庁舎・歴史文化伝承館・秩父宮記念市民会館にCO2排出量ゼロの「ゼロカーボン電力」の供給を開始する予定です。
- 東京電力エナジーパートナー(株)を含む東京電力グループは、国民生活とインフラを支える公益事業者として、長年に渡って電力の安定供給を実現してきた実績が豊富にあります。また、「E-KIZUNA Project(埼玉県さいたま市)」では、都心部における低炭素で電気が止まらないまちづくりに向け、EV(電気自動車)を活用したエネルギーインフラの構築を検討しており、エネルギーの利活用に対して幅広い知見を有しています。
今後の展開
- 小中学校への電力供給における連携とエネルギー学習の機会創出。
- 秩父市公共施設等への再エネ設備設置による災害レジリエンス強化事業の共同検討。
- ゼロカーボンシティの実現に向け、地域内の再エネ電力を活用した事業の共同検討。
- その他、国連が掲げるSDGsを意識した持続可能な地域づくりに資する「新しい電気事業の形」の実現に向けた各種事業の検討・実施。
市長コメント
これまで世間では、旧一般電気事業者と自治体新電力会社はお互い相容れないライバルのような関係性で括られてきたように感じます。実際、「価格競争」、「取り戻し営業」というような表現で両者の関係性がネガティブに報じられることも少なくありません。
しかしながら、今回の協定により、豊富な実績に基づき再エネ事業の普及拡大を図る旧一般電気事業者と、地方創生のために地域密着で事業を展開する自治体新電力会社、そして、各種の課題を抱えながらも温暖化対策に先進的に取り組む地方自治体が、お互いの強みを活かし、足りない部分を補完しあう連携事業を展開することで、中山間地域の未来に向けた新たな電気事業の可能性を「秩父版シュタットベルケ」という形で提示していきたいと考えています。