あっという間に3月になりました。先を見通しづらい日々が続きますが、秩父の中学生たちがとても明るいニュースを届けてくれました。
高篠中学校2年生、藤井岳さん、野澤倫太郎さん、金田季織さんによる研究が、「第64回日本学生科学賞」で入選1等に選出されました。研究テーマは、「ニホンアマガエルの拡散と定着 校舎北側の研究・2年目」です。
1957年にスタートした日本学生科学賞は、中学生・高校生を対象とした、歴史と伝統のある日本最高峰の科学コンクールです。戦後日本の科学技術の振興を願い、未来の優秀な科学者を輩出することを目的に創設されました。今年はコロナ禍により表彰式を行うことはできませんでしたが、表彰式には毎年皇室の方々も出席されています。
今年は、全国から約3万2000点の応募があり、中学の部において20点が入賞・入選しました。高篠中学校の3名の研究は、その20点の入賞・入選作品に入り、入選1等に選出されるという大変素晴らしい結果となりました。
受賞者の3名が市長への受賞報告に来庁した際に驚いたことですが、受け答えが堂々としていて、自分の思っていることをしっかりと伝えることができていました。また、何よりも、礼儀正しく、挨拶や言葉遣いが素晴らしかったです。これから求められる資質、能力だと感じ、とても頼もしく思いました。
コロナ禍においても目的意識を持って頑張る中学生に、また、熱心に指導を続けた井上教諭の情熱にエールを送りたいと思います。
秩父市教育委員会では、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社にご支援いただき、プログラミング学習を実施しています。例年はスタッフの皆様に来校していただき、ご指導いただいておりましたが、今年度はプログラミング学習キッドをお借りし、学校で取り組むこととしました。
今年度も、「宅急便の車が、効率よく荷物を運ぶにはどのようなルートを選んでいけばいいか」というテーマで、プログラミング学習を行いました。
【プログラミング学習に取り組む大田小学校の子どもたち】
また、秩父市教育委員会では、学校内の余裕教室を改造し、計画的に学童保育室の移設を行っています。
西小学校の学童保育室利用者は、今まで「下郷学童保育室」と「西学童保育室」に分かれていましたが、「下郷学童保育室」を学校内に移設したことにより、利用する児童、保護者、学校にとっての利便性が高まりました。
【新西学童保育室】
今年度も、早いもので卒業式のシーズンを迎えました。この時期になると、全国の多くの学校の卒業式で、「旅立ちの日に」が歌われます。「旅立ちに日に」が誕生した、影森中学校では、聖地巡礼ではありませんが、このシーズンになると写真を撮りに訪れる人がいらっしゃるという話を校長から聞きました。
卒業の日を迎えるにあたり、特に中学3年生の皆さんは、様々なことが思い出されるのではないでしょうか。学校の休校、部活動や各大会の中止、修学旅行の中止や各学校行事の縮小等、様々な制限が加えられ、本来の学校生活を楽しむことができなかったかもしれません。辛く苦しいこと、悔しいことも多かったと思いますが、それにも負けず、それぞれの進路の決定に向けて頑張った皆さんのことを、私は誇りに思います。
3月8日は県立高校の合格発表日です。これで、ほとんどの生徒の進路が決定します。皆さんの目標は、「夢の実現」だと思います。自分の夢の実現を目指して、それぞれの道で自分自身を磨く努力をしてほしいと願っています。
小学6年生も、様々な活動が制限されたことにより、心のなかに何か満たされないものがあるかもしれません。それでも、皆さんは小学校の最高学年として、各学校に大きな足跡を残してくれたと思います。それぞれの場所で力を発揮してくれた皆さんの姿を、下級生たちは心強く感じていたと思います。
皆さんは、これから、「小学校から中学校へ」というハードルを乗り越えなければなりません。最初は戸惑うこともあるかと思いますが、コロナ禍でも頑張れたという自信や、いつも皆さんを応援してくれている人たちが、きっと背中を押してくれるはずです。
3月13日には中学校の卒業式を、3月25日には小学校の卒業式を規模を縮小して実施する予定です。今まで以上に思い出に残る素晴らしい卒業式を、自分たちの力でつくりあげてほしいと心から願っています。
新型コロナウイルスの影響による、様々な不自由さや不安に耐え、精一杯頑張ったすべての子どもたちの前途を祝し、3月の教育長メッセージを終わります。
卒業、進級おめでとう。