ミューズパークの銀杏の紅葉も終わり、冬に向かって一日一日、季節が変わってきたように感じます。
今年は、秩父夜祭が神事を除いて行われず、笠鉾、屋台の曳行が中止となりました。冬まつりを楽しみにしている秩父の人々にとっては、とても残念なことですが、新型コロナウイルスが一日も早く収束し、来年には盛大に開催されることを待ち望むところです。
10月15日に行われた、新型コロナウイルス感染症対策分科会後の尾身会長による記者会見においては、現在の国内の感染状況について、「感染の増加要因と減少要因が拮抗していて、多くの都道府県で大幅な増加が見られない一方で、急激な減少も見られない一進一退という状況が続いている」と総括されました。
しかし、会見から約1か月半、大変残念なことに、新型コロナウイルスの第3波と言われる感染拡大が全国で続いています。ある感染症の専門家が、今回の感染拡大の要因として、人々の気のゆるみと気温の低下を指摘していました。各学校においても、本格的な冬に向けて、新型コロナウイルス感染症と通常のインフルエンザに備えた対応を行っていかなければなりません。
感染症対策として「3密を防ぐ」と言われていますが、改めて「3密」について聞かれると、説明に行き詰まる人も多いのではないでしょうか。第3波の感染拡大が続いている今こそ、基本中の基本である「3密を防ぐ」行動を再度心掛ける必要があるように思えます。
～3つの密を避けましょう！（厚生労働省啓発資料）～
～3つの密を避けるための手引き！（厚生労働省啓発資料）～
このようなコロナ禍ではありますが、感染防止対策を十分に講じた上で、市内において行われたイベントの一部を紹介します。
11月1日（日）、大滝滝沢地区の秩父滝沢サイクルパークにおいて、BMX 8mスタートヒルの完成披露会が行われました。当日は、東京オリンピックへの出場が最有力なBMXの強豪国であるコロンビア共和国の大使もお見えになり、BMX愛好者たちも駆けつけてくれました。
10月31日（土）、吉田中学校において文化祭が開催されました。新型コロナウイルス感染防止のため、今年度は学年ごとに時間を区切って体育館へ集まり、学習発表会形式での文化祭となりました。吉田中学校は地域の伝統文化の継承に力を入れていますが、文化祭のなかでも、2年生による貴布祢神社神楽の披露や、3年生による龍勢祭で使用する筒や落下傘の作品展示、口上の披露が行われました。各学年の合唱は、特注の飛沫防止シールドを使って発表を行いました。
従来のかたちを変えての開催となりましたが、地域の方々と共に伝統文化の継承に取り組んでいる吉田中学校らしい文化祭を開催できたことをとてもうれしく思います。
各学校とも、コロナ禍での文化祭の開催は大変な苦労があったかと思いますが、今後の学校行事のあり方を考える大きな機会となったのではないでしょうか。子どもたちに大切な思い出を残すため、それぞれの学校が一致団結できたことを心強く思います。
最後に、文化財についての話題を提供します。文化財の保護・活用は、教育委員会の大きな仕事の一つです。10月の教育長メッセージでも紹介しましたが、秩父神社では、昨年度から社殿東側の彩色修理が行われ、彩色修理を終えた彫刻がもとの位置に収められ、鮮やかな姿がよみがえりました。社殿東側に続き、社殿西側での彩色修理も始まりました。
彩色修理を終えた色鮮やかな社殿東側と彩色修理作業中の社殿西側の様子を同時に見られる貴重な機会かと思います。感染予防対策を行い、是非秩父神社を訪れていただければ幸いです。
【秩父神社社殿保存修理事業：彩色修理が完了した「つなぎの龍」】
早いもので、今年も残すところ1か月を切りました。新型コロナウイルスの更なる感染拡大が心配されますが、中学3年生はいよいよ受験シーズンに突入します。新型コロナウイルスに負けない強い心と体を鍛えて、この受験シーズンを乗り切って欲しいと思います。
そして、受験生を見守る私たちも、3つの密を避けた行動を心掛け、感染拡大の防止に努めることで受験生を応援していきましょう。行動変容による効果が現れるのは約2週間後と言われています。一人ひとりの努力により、少しでも心穏やかな年末年始を迎えられることを願い、12月の教育長メッセージを終わります。