いつの間にか季節は秋になり、朝晩冷え込むようになってきました。9月の4連休が終わり、Go Toトラベルキャンぺーンによる人の動きや経済活動の再開が、今後の新型コロナウイルス感染者の増加にどのように影響してくるのか、注視していかなければなりません。
9月25日に行われた、新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身会長の会見では、全国の感染状況について、「下げ止まりしている」との見解が示されました。10月1日から東京都が追加されるGo Toトラベルなどの支援事業については、感染状況により、除外するなどの判断を躊躇なく行うことを提言しています。
学校の状況を見てみますと、子どもたち、教職員にやや緊張感が無くなっているように感じます。この状況に慣れてしまったのかもしれませんが、この慣れが新たな感染を生んでしまうかもしれません。
新型コロナウイルスの感染経路は、飛沫感染及び接触感染です。学校内での感染事例も報道されていますので、〈人と人との距離を保つこと〉〈マスクの着用〉〈咳エチケット〉〈こまめな換気〉〈十分な睡眠〉などにより、自分自身の健康管理や周りの人を思いやる行動を続けていくことが大切です。
こうした状況をふまえ、「3つの密(密閉・密集・密接)の回避、マスクの着用、手洗いうがい」などの徹底を、改めて各学校へお願いしました。
秩父市教育委員会では、新型コロナウイルスへの感染予防啓発の一環として、「ウイルス感染を防ごう!ポテくまくんイラストコンテスト」を実施しました。市内小中学生の1600通を超える応募の中から3作品を選び、公式イラストを作成しました。
秩父市HP「ポテくまくんの部屋」からダウンロードできますので、是非感染予防の啓発にご活用ください。
【市長賞】
【副市長賞】
【教育長賞】
新型コロナウイルスは、学校行事にも大きな影響を与えています。例年であれば、運動会・体育祭が盛大に開催されますが、今年は児童・生徒の安全を第一に考え、規模を縮小して開催しています。
規模を縮小し短時間での開催ではありますが、子どもたちの様々な活動が制限されている中で、各学校とも感染予防対策を十分に行い、工夫を凝らした運動会・体育祭を開催できたことは、子どもたちにとって非常に大きな思い出になると思います。
各学校では様々な試行錯誤があったかと思いますが、今後のWithコロナ時代の運動会・体育祭のあり方を考える良い機会になったのではないかと思います。
【秩父第一中学校体育祭】
【高篠中学校体育祭】
【大田中学校体育祭】
【尾田蒔中学校体育祭】
【秩父第二中学校体育祭】
中学校では、これから文化祭の開催に向けて準備が始まります。体育祭での経験を活かし、感染予防対策を十分に行いながら、思い出に残る文化祭を作り上げて欲しいと思います。
最後に、文化財保護行政も教育委員会の大きな仕事ですが、現在、県指定有形文化財「秩父神社社殿」の保存修理事業を平成30年度から6か年計画で実施しています。本事業に対して、市では県とともに補助金を支出しています。平成30年度には全体の設計管理を行い、昨年度からは社殿東側の彩色修理に着手しています。
【秩父神社社殿保存修理事業:彩色修理】
新型コロナウイルスについての情報発信を続けている、京都大学 山中伸弥教授は、ソーシャルディスタンスを「思いやり距離」と訳しています。この訳には、自分自身が感染しているかもしれないという前提で、周りの人を思いやる行動が大切であるという思いが込められています。また、山中教授は、「正しい行動を粘り強く続ければ、ウイルスとの共存が可能となります。自分を、周囲の大切な人を、そして社会を守りましょう!」と訴えています。
季節が秋冬に向かい、インフルエンザと新型コロナウイルス感染症の流行がどのようになっていくのか、感染症対策と経済活動の両立をどのように図っていくのかなど、心配の種は尽きませんが、前述したように、「3つの密(密閉・密集・密接)の回避、マスクの着用、手洗いうがい」という感染症対策の基本を徹底しながら、子どもたちが充実した学校生活を送ることができることを願い、10月の教育長メッセージを終わります。