「1月は行く」「2月は逃げる」「3月は去る」といいますが、早いもので、2月を迎えました。
1月7日、昨年春以来となる2度目の緊急事態宣言が発令されました。前回の緊急事態宣言と異なり、対象地域や経済活動等の制限を要請する範囲が限定されています。また、学校に対する一斉休校の要請も行われず、通常の学校運営が行われています。
一斉休校が要請されていない理由としては、新型コロナウイルス感染症に関して、現時点においては児童生徒の発症や重症の割合が低く、また、学校から地域へ感染が広がっている状況ではないことがあげられます。
しかしながら、秩父市内においても年末から感染者数が激増し、誰がいつどこで感染しても不思議ではない緊急事態になっています。
中学3年生が高校受験に向けてがんばっている時期でもありますので、学校内での感染は何としてでも防がなければなりません。秩父市においても、今回は学校の臨時休業の判断には至りませんでしたが、中学校の休日の部活動を中止する措置を取りました。
今、これ以上の感染の拡大を食い止めなければ、以前のような学校生活を取り戻すことはできません。今、皆さんが自分自身の行動を見直し、不要不急の外出を控え、新型コロナウイルスに「かからない」「うつさない」ことを意識した行動をとることが何よりも重要なことだと思います。
さて、教育現場は「GIGAスクール元年」を迎えました。GIGAとは、「Global and Innovation Gateway for All」の略で、文部科学省はGIGAスクール構想について、次のように示しています。
○1人1台端末と、高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備することで、特別な支援を必要とする子どもを含め、多様な子どもたちを誰一人取り残すことなく、公正に個別最適化され、資質・能力が一層確実に育成できる教育ICT環境を実現する
○これまでの我が国の教育実践と最先端のICTのベストミックスを図ることにより、教師・児童生徒の力を最大限に引き出す
秩父市においても、教育現場の永年の悲願である通信ネットワーク環境の整備と、児童生徒1人1台の端末の配備に向けた準備を急ピッチで進めています。また、端末の有効活用ができるように、教育委員会において端末の実践的な活用研究を行い、準備を進めています。その取り組みの一部を紹介したいと思います。
【チチブオンラインスタディ】
秩父市教育委員会では、チチブアフタースクールスタディ~夜勉~を例年実施していましたが、今年度は多くの子どもたちを集めて実施することは難しいと判断し、中学3年生を対象として、オンライン授業を試行しました。参加した生徒たちからは大変好評でした。
【TGG(TOKYO GLOBAL GATEWAY)と連携した英語学習】
秩父市教育委員会では、英語土曜学習事業として、平成30年度から東京お台場の体験型英語学習施設TGGにて、中学生に生きた英語を学ぶ機会を提供してきました。
今年度は実施の可否を検討していましたが、12月19日、歴史文化伝承館を会場に、TGGが開発した、バーチャルの世界でオールイングリッシュの環境を体験できる方法に変更して実施することができました。15名の生徒が自主的に参加し、バーチャル空間を通して、秩父にいながら東京にいるTGGの外国人スタッフと英会話の実践学習を行いました。
新型コロナウイルスの影響により、遠出をする機会が制限されるなか、近所を散策する方も増えたのではないでしょうか。
秩父の街中を散策すると、老朽化が進み、解体される蔵が多いなか、住民や関係者の努力により、解体されずに残っている蔵を発見することができます。宮側町にある「ギャラリーかみいし」は、築130年の蔵を改装した建物で、地域の皆さんから愛され続けています。私も「ギャラリーかみいし」で開催されている絵画展に伺ったことがありますが、ぬくもりのある蔵の雰囲気に芸術作品がとてもよく映え、居心地の良い空間となっていました。懐かしさと新しさが融合された秩父の魅力を再発見することができました。
さて、日本全国受験シーズンです。県立高校の入学試験も目前に迫ってきました。2度目の緊急事態宣言が発令され、今まで以上に緊張や不安を感じている受験生が多いことと思います。
マイナスの感情に押しつぶされそうになった時には、ゆっくりと目を閉じ、呼吸を整えましょう。そして、自分自身の今までの努力を振り返ってみてください。きっと、自分を信じる力、全力でラストを駆け抜ける力が湧いてくるはずです。
この1年を振り返ると、ほとんどの受験生が、新型コロナウイルスの影響により、思い描いていたような学校生活を送ることができなかったのではないでしょうか。皆さんには、その悔しさを力に変えて、受験本番にぶつけてほしいと思います。
受験生の皆さんがそれぞれのベストを尽くせることを祈っています。