全国の市町村において、少子高齢化による問題は避けて通ることはできません。秩父市も例外ではなく、小学校13校、中学校8校の学校規模は、年々小さくなってきています。
2月の教育長メッセージでは、文部科学省・秩父市教育委員会の研究委嘱を受け、「少子化・人口減少に対応した活力ある学校教育推進事業」に取り組んだ、大田小学校・大田中学校について紹介します。
大田小学校は、児童数110名、学級数6学級、大田中学校は、生徒数44名、学級数3学級の小規模な学校です。学級数が3学級の大田中学校は、埼玉県内でも特に規模の小さな中学校のひとつです。また、小中学校が同一敷地内にあることも特徴です。
昨年12月5日、大田小学校・大田中学校が平成28年から3年間の研究委嘱を受けた「少子化・人口減少に対応した活力ある学校教育推進事業」の取り組みについて、その成果を発表しました。
【大田小中学校の児童生徒によるウェルカムコーラス(12月5日・研究発表会)】
ここで、研究の概要をまとめてみることにします。
(1)研究テーマ(小中学校共通)
「少人数・小規模校における小中連携のあり方
夢・希望・自信・誇り ~大田で育み 世界で輝く~」
(2)小規模校のメリット、デメリットを分析
メリットを活かし、デメリットを最小化させるため、3つの視点がうまれました。
1 小学校・中学校・地域・家庭の連携
2 学力・体力の向上(9年間を見通した学習指導・個に応じた指導)
3 ICT機器の活用(タブレットの有効活用)
【大田小学校での書画カメラを活用した授業(12月5日・研究発表会)】
【大田小学校でのパソコンを活用した学習(12月5日・研究発表会)】
【大田中学校での少人数を活かしたALTとの英語学習(12月5日・研究発表会)】
【プレゼンする大田中学校生徒(12月5日・研究発表会)】
少子高齢化が進むなかで、そのメリットを活かし、教育効果を向上させていくことは、全国の多くの学校において取り組まなければならない課題のひとつであると思います。そのなかで、大田小学校・大田中学校は、3年間の研究において3つの視点を大切にし、小規模校のメリットを最大限に活かす実践的な教育に力を入れ、大きな成果を得ることができました。
大田小学校・大田中学校の児童生徒たちの笑顔に接し、秩父市の学校において、「秩父に生まれ育ったことに誇りと自信を持ち、自分自身の夢の実現のために努力する児童生徒たち」を育てていく教育を推進していくことを、改めて強く感じた発表会でした。