防災・減災に向けたまちづくり
秩父市では都市計画マスタープラン・立地適正化計画において「防災指針」を定め、災害に強いまちづくりを進めていきます。
秩父市では、以前から「セーフコミュニティ」の手法を活用し「安全・安心なまちづくり」を推進してきました。
セーフコミュニティの特徴として、以下の2点があげられています。
- 科学的な分析による「予防」に重点を置く
- 横断的な連携・協働を取り入れて活動する
秩父市の「防災指針」においても、このセーフコミュニティの考え方に沿って計画の策定をすすめていきます。
科学的な分析による「予防」(減災)に重点を置いたまちづくり
地球温暖化に伴い、近年、水災害が激甚化し水害に襲われるリスクも高まっています。秩父市は荒川水系の上流に位置し河岸段丘が形成されているため、河床は市街地よりもかなり低く、下流域のように市街地の大半が浸水してしまうような水害リスクはかなり低いと考えられています。
しかし、市街地附近でも浸水の恐れがあるエリアは存在し、山間地や山すそは広大であり土砂災害警戒区域に指定されている危険エリアが多く存在します。そのため、集中豪雨や地震をきっかけとして、いつ土砂災害が発生するか分からない状況です。
現在、こうした災害リスクを科学的に分析し可視化する取り組みが、国や地方公共団体、関係機関などで積極的に行われています。
まずは、身の回りの災害リスクを調べ、「いざ」というときにどのように行動すべきかをシミュレートしておくことが大事です。
次に、こういった災害リスクに対する科学的知見を、これからのまちづくりに生かしていくことが重要です。
まだ人口の少なかった時代には、川の近くやがけの近くにほとんど家はありませんでした。しかし、人口が増加し、自動車が普及してくると、だんだんと地価の低いリスクのあるエリアでも開発や住宅の立地が行われるようになりました。
今後は、災害リスクのあるエリアを避け、人口の減少に伴い増え続けている「空き地や空き家」をうまく活用し、安心・安全なエリアに居住を誘導していくことが必要となります。
災害リスクを知ろう!
(現時点では荒川上流水害リスク情報図、ため池ハザードマップの一部が未掲載です。)
横断的な連携・協働を取り入れたまちづくり
秩父市は、人口減少が著しく、県内でも高齢化率が高い地域です。年々、単身高齢者世帯の割合も高くなってきており、自助・共助により対応が難しくなりつつあります。また、多くのエリアが土砂災害警戒区域に指定され、こうしたエリアでの高齢化率が特に顕著となっています。
このような今までに経験したことのない”過疎”の問題を解決するには、セーフコミュ二ティの考え方に沿って、従来の枠組みを超えた横断的な連携・協働を進めていくことが必要です。
まちづくりにおいても同じことが言えます。
特に、水害リスクを考えたとき、河川の上流域の自治体と下流域の自治体が同じ河川でつながっていることを考えないわけにはいきません。
秩父市においては、秩父地域の広大な森林や4つのダムは、荒川下流域の住民にとっても大切な水源管理機能を有しています。これら森林やダムの”適切な管理”が失われてしまったら、大災害の発生につながりかねません。
また、荒川沿いに秩父鉄道や国道140号が市内中心市街地を通り、皆野町・長瀞町・熊谷・東京方面に繋がっています。私たちがいまだかつてない豪雨に見舞われたとき、河川沿いの鉄道や道路をどう守ればいいのでしょうか?
長瀞町史自然編(水害)(524KB)
ジオパーク秩父・寛保洪水位磨崖標
これらの問題を解決するのは非常に困難なことかもしれません。しかし、秩父市だけでなく、秩父地域、また荒川流域の自治体とともに課題解決に取り組んでいきます。(国土交通省関東地方整備局荒川上流河川事務所:荒川水系流域治水プロジェクト)
それ以外の安心・安全
私たちの安心・安全を守るためには、「自然災害」リスクだけが課題なのではありません。「過疎化」のように、今後の科学的知見の蓄積によって「リスク」が次々と可視化されてくるでしょう。
また、燃え広がらないまちづくりや、道路形状や歩道の整備など、従来から問題になっていた課題の解決も必要です。「みんな」が活躍する社会に向けて、より一層のバリアフリー化を進めることも重要です。
より安心・安全なまちづくりを進めるため、まずは災害リスク等行政が所有しているデータのデジタル化、オープン化をすすめ、情報を公開していくとともに、これらを共有し、まちづくりに生かしていきます。
ハザード情報を自分の地図に重ねてみよう!
ハザードデータをkml形式にてオープンデータとして公開しています。
都市計画マスタープラン・立地適正化計画の策定に合わせて作成したデータをオープンデータとして公開します!
スマートフォンの方⇒Google Earthをダウンロード
パソコンの方⇒Google Earth PROをダウンロード
また、chrome版Google Earth,地理院地図ほか、その他GISソフトでもご確認いただけます。