三峯神社本殿 ほか6棟

県指定有形文化財(建造物)

昭和36年3月1日指定

令和5年3月17日追加指定・名称変更

三峯神社みつみねじんじゃ
 本殿
  棟札一枚枘(墨書)一本
 拝殿
 随身門
 国常立神社
 日本武神社
 手水舎
 秩父宮台臨記念館

所在地:秩父市三峰298番地
所有者:三峯神社

 
本殿 付棟札一枚・枘(ほぞ)一本
 本殿は寛文元年(1661)江戸時代初期の建立で、一間社、春日造、石積の檀
三峯神社
上に立ち、正面と両面に縁をまわし、勾欄(こうらん)をつけ、屋根は銅板
葺、総体に木割も太く、堂々とした格調高い建造物である。

 また、「寛文元年霜月廿日」の銘ある棟札が現存し、中興第六竜誉(りゅう

よ)法印が願主になって造営したことが知られるが昭和34年の解体修理の時、

明暦元年(1655)の墨書銘のある枘(ほぞ)が発見されている。

 なお、寛文元年建立の本殿は再建で、その前の旧本殿は、境内の東照宮の上舎(うわや)として現存し、当社に残る唯一の貴重な室町時代の建造物である。

 

 

 

 

 

                 

 

 

拝殿(はいでん)

拝殿は寛政12年(1800)に再建された。正面5間、側面3間、入母

拝殿屋造の銅板葺。正面向背1間、背面張出2間。本殿と同様に柱は黒漆、壁面は朱塗、組物や蟇股(かえるまた)などには極彩色が施される。内部は一面格天井を張る。                             

 

 

 

 

 

 

 

 

随身門(ずいしんもん)

 随身門は寛政4年(1792)に再建された。大工棟梁は妻沼の林兵

随身門

庫正信。屋根形式は切妻造の銅板葺で軒唐破風が付く。県内有数の大規模な八脚門。軒唐破風に極彩色の彫刻をあしらう。

 表参道からここを通るのが古来の正参道であった。

 

 

 

 

 

 

 

国常立神社(くにとこたちじんじゃ)

  国常立神社は正保3年(1646)に再建、宝暦11年(1761)に再   国常立神社

々建れた。現在の社殿は宝暦期のものである。祭神は国常立命(くにのとこたちのみこと)。もとは、本地堂または護摩堂と呼ばれ、十一面観音立像と不動像が安置されていた。

 近世期まで護摩堂であったものを改変して神社とした。

 

 

 

 

 

 

 

日本武神社(やまとたけるじんじゃ)

 日本武神社は嘉永6年(1853)に再建されたものである。かつての役行者堂を
日本武神社

神社としたもので、向拝を持つ妻入社殿の典型的な構造を持つ。虹梁等に彫り込んだ絵模様や彫刻は時代をよく表している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

手水舎(ちょうずしゃ)

  手水舎は嘉永6年(1853)建立。屋根は切妻造両軒唐破風。四面   手水舎

に極彩色の彫刻をあしらう。社殿全体の配置の中で重要な位置を占めるものであり、彫刻は当初のまま残っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

秩父宮台臨記念館(ちちぶのみやだいりんきねんかん)

  大正14年(1925)、秩父宮雍仁親王の三峯神社参拝を機に、複数   秩父宮台臨記念館

の施設が新設された。秩父宮台臨記念館はその内の1棟で、昭和6年(1931)竣工。木造平屋造の寄棟造(一部方形屋根)、鉄板瓦棒葺。神社所有の建物でありながら宮殿建築の性格を有する。

 設計者の関根要太郎(1889~1959)は秩父の生まれで、台臨記念館は秩父地域に現存する唯一の関根作品である。