今年の梅雨入りは、平年よりも大幅に遅れているようです。関東甲信地方は、6月7日が梅雨入りの平年日ですが、今年は時々雨は降りますが、まだ梅雨入りの発表はありません。その理由は、明らかにはされていませんが、太平洋高気圧の張り出しが弱く、梅雨前線を北へ押し上げられていない、大陸の乾いた空気の高気圧の影響で梅雨前線が北上できない、偏西風が日本列島付近で南へ下がっている(蛇行している)などで、梅雨入りが遅れていると言われています。
日本列島の昨年の夏は、地球温暖化の影響により真夏日(気温30℃以上)や猛暑日(気温35℃以上)となった日数が過去最多となり、熱中症等で救急搬送された方が急増しました。今年の秩父地方は、まだそれほど暑くはありませんが、6月も中下旬から晴れると気温が急上昇し、蒸し暑さとともに熱中症対策が必要になります。そこで、小・中学生の皆さんには、「早寝・早起き・朝ごはん」を励行し、必要に応じて水分補給を行い、熱中症にならないよう気を付けてほしいと思います。また、登下校中は、交通事故にも十分注意し、気温の上昇により急な雷雨にも気を付けてください。保護者の皆様からもお子様への声掛けをお願いします。
また、秩父市内の多くの小・中学校は、5月下旬から6月中旬にかけて修学旅行や林間学校・校外学習が行われています。それぞれの学校の行事は、ほぼ予定通りに行うことができています。保護者の皆様のご理解とご協力をいただき、児童・生徒が先生方の指導を受けながら事前の計画や準備がしっかりできたこと、当日の行動が自主的に行われ、余裕をもって日程が消化できたからであると思います。そして、特に修学旅行では、児童・生徒の皆さんが家を離れ、友達や先生方とかけがえのない時間を過ごし、学校の行事でなければ作れない一生の宝物、よい思い出を作ることができたことと思います。これらの行事を通して、友達の良さや自分の良さ、また今後努力を積み重ねたいことなども分かり、大きく成長していく機会が得られたことと思います。
さて、6月は「環境月間」です。6月5日は、環境の日です。「環境月間」は、地球温暖化をはじめ様々な環境問題の解決に向けて、一人一人が自らの生活や行動を振り返り、積極的に行動を起こすことができるよう定められたものです。昨年の夏、国連のグテーレス事務総長が、世界平均気温が過去最高を記録し、猛暑と各地域で発生している災害を受けて、危機感を伝えるために「地球沸騰化」という言葉を発しました。地球温暖化は、人の生活によって排出される二酸化炭素などの温室効果ガスが大気中に蓄積し、地球から宇宙への赤外線の放出が妨げられることで、地球の平均気温が上昇し続けている状態です。持続可能な開発目標SDGs(エス・ディー・ジーズ)の目標13に「気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じよう」とあり、一人一人が真剣に考え、行動を起こすことが求められています。
そこで、小・中学生の皆さんには、学校でできること、家庭でできることなどについて考えていただき、小さな積み重ねから実行していただけたらと思います。具体的には、二酸化炭素を減らすために不要な照明を消すなどの節電、手洗いや歯磨きでの不要な水を流さない節水、栄養のバランスを考えたメニューの給食を食べ残さないようにするなど、身近な生活の中でできることを実践していただきたいと思います。保護者の皆様にも、すでに実践していただいていることとは存じますが、引き続きご家庭でもできることを実践していただきますようお願いします。