令和元年度教育長からのメッセージ

平成30年度教育長メッセージ 

2020年2月3日 学校が安全な場であるために

  早いもので、令和2年も、早1か月が過ぎました。1月20日は大寒でしたが、今年は、寒暖差の激しい日が続いています。28日には、前日夜からの雪が降り積もり、秩父地域も7センチ程の積雪があり、市内の学校は2時間遅れの対応を取りました。

 市内にはインフルエンザにより学年閉鎖をする学校もあり、受験を目前に控えた受験生の体調管理が心配されます。

1月28日降雪

 また、世界は目まぐるしく変化をしています。中華人民共和国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスに関連した肺炎感染は拡大を続け、世界的な脅威となっています。
 オーストラリアの森林火災は、焼失面積が日本の国土面積の半分近くにあたる推定約17万平方キロメートルに達し、広範囲にわたって被害が拡大しています。出火原因の特定には至っていませんが、背景として地球温暖化が指摘されています。
 日本でも、昨年10月に記録的な大雨を伴いながら関東甲信・東北地方を縦断した台風19号がもたらした被害の爪痕が、いまだに多く残っています。

【台風19号によるミューズパークでの土砂崩れ被害・久喜市長撮影】
ミューズパーク土砂崩れ被害

 2月の教育長メッセージでは、改めて「防災」をテーマにメッセージを送りたいと思います。

 東日本大震災の津波で犠牲になった宮城県石巻市立大川小学校の児童23名の遺族が、市と県に約23億円の損害賠償を求めた訴訟で、令和元年10月10日付、学校や市教育委員会の防災対策の不備を明確に認める判決が確定しました。この判決は、子どもの安全を確保すべき義務がある学校に、防災上の重い責任を課した判断であると思います。
 秩父市では、災害に備え、「秩父市ハザードマップ」を各家庭に配布し、防災意識の向上に取り組んでいます。今回の判決をふまえ、12月の教育長メッセージでもお伝えしましたように、各校長の防災意識を高めることを目的に、校長会議の折、「秩父市ハザードマップ」に台風19号による被害状況をマッピングする機会を設けました。学校区内のどこが危険なのかを校長自身が知っておくことは、児童生徒の安全を確保するうえで重要なことであると考えています。
 また、折あるごとに、防災に関連して、校長会議等で「正常性バイアス」について話題にしています。「正常性バイアス」とは、自分にとって都合の悪い情報を無視してしまったり、過少評価してしまう心の動きのことをいいます。例えば、テレビで放映される防災情報に対して、「またか・・・」、「ここは大丈夫だろう」、「自分の住んでいる場所とは関係がない」などと思ってしまう方も多いのではないでしょうか。「正常性バイアス」が誰にでも起こりうる心の動きであることを自覚することから、防災教育は始まるのではないかと思っています。
 児童生徒が安全・安心に学校教育を受けることができるように、日頃の避難訓練等をしっかりと行い、子どもたち自身に対しても「自分の命は、自分で守る」という防災意識を高めていきたいと思います。

~大滝大達原高札場 消防訓練~
 1月26日は、文化財防火デーでした。昭和24年1月26日に現存する世界最古の木造建造物である法隆寺の金堂が炎上し、壁画が消損したことに基づいて制定され、昭和25年には文化財保護法が制定されています。
 今年は、秩父市大滝にある、県の指定史跡 大達原高札場を会場に、秩父消防署南分署、秩父市消防団大滝荒川方面隊、地元の皆様にご支援いただき、消防訓練を行いました。
 秩父市には数多くの文化財があります。貴重な文化財を後世に残すために、今後も訓練に取り組んでいきたいと思います。

消防訓練


2020年2月3日

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