
先日、荒川ビジョン推進協議会において、荒川流域圏構想についてお話しする機会をいただきました。荒川流域には79の市区町村があり、その人口は約930万人と非常に大きな規模です。
荒川流域圏構想は、最上流に位置する秩父市が荒川流域のリーダーとして、経済や環境、防災など多方面の課題解決と未来への発展を目指すまちづくりのビジョンです。人々の暮らしを流域でとらえたとき、上流域では少子高齢化や過疎化に直面しており、下流域では気候変動による局地的な大雨の増加により、浸水のリスクが高まっています。
こうした状況の中で、上流域をブランディングし、魅力を向上させることで、中下流域には水源域への関心を持っていただき、観光交流、森林の整備や保全に協力いただくことで、安全と癒しを提供することが可能です。
秩父市が生み出す清らかな水とクリーンな電気は、中下流域から求められる防災機能も果たします。「最強の防災都市」を追求することは、新たなビジネスを生み出し、秩父市のためになると確信しています。
また、令和7年6月25日には秩父市が国土交通省から「先導的グリーンインフラモデル形成支援」の重点支援団体に選ばれました。国交省から支援をいただき、この構想の取り組みによる効果の分析や、今後のアクションプランの作成を行います。
秩父は、先人たちが自然との共存や郷土愛を大切にして築いてきた「わかちあい」の精神が根ざしている土地です。秩父市がリーダーシップをとり、中下流域と連携し、荒川流域の安全、発展、住民の幸せのために、これから全力で取り組んでまいります。