旧強谷織物工場

(国)登録有形文化財
令和元年9月10日登録

旧強谷織物工場きゅうすねやおりものこうじょう 1棟
【建築年代:昭和3年竣工/昭和中期改修】

所在地:秩父市山田字上西新木1660-1他
管理者:個人


 この建物は、県道11号線に東面した旧絹織物工場で、木造平屋建、四連の鋸屋根で構成された建物である。四連の各屋根は南面を長辺、北面を短辺とし、長辺は瓦葺、短辺は採光のためにガラス板葺となっている。内部は間仕切り壁等のない一室の空間で、西南北三面に出入口を設け、各棟通りの三間ごとに柱を立てている。外壁は鎧下見板張とし、小屋組は木造トラス組となっている。
鋸屋根は、間接光による安定した一定の光源を得る形式で、繊維の組織や色の組合わせを見るために適した屋根形式として、繊維産業の工場で広く採用されている。木造トラスの小屋組と併せて、大正~昭和初期における繊維産業工場としての特徴がよく示されており、絹織物産業で栄えた近代秩父の様相を伝えている。
(登録基準:一 国土の歴史的景観に寄与)

 

 

 

(撮影:株式会社グリーンシグマ)