所在地:秩父市栃谷字島府402番地2
管理者:八坂神社
この建物は、地芝居(農村歌舞伎)のための舞台で、八坂神社境内西側の広場に建っており、棟札から明治32年の建築であることが読み取れる。建物は、寄棟造桟瓦葺の平屋建、正面は出桁造とし、差物を通して全面開放が可能である。舞台は前二間を表、奥三間を裏とし、裏には可動式の二重舞台を備えている。二重舞台は土台下端に車輪が設けられ、中央は前後、両脇は左右に動くようになっている。また、舞台両側面の框(かまち)には下座(本芸座・仮芸座)を設けるための枘穴(ほぞあな)が確認できる。
様々な舞台設定・演出を可能とする二重舞台や、他の舞台に見られない豪華な彫刻が施されている下座の意匠など、市内に現存する数少ない歌舞伎舞台の一つとして、地域の地芝居舞台の変遷を追う上で貴重な存在である。
(登録基準:造形の規範)