川瀬祭笠鉾・屋台

市指定有形民俗文化財
平成20年3月25日指定

川瀬祭笠鉾・屋台かわせまつりかさほこ やたい 8基

所在地:秩父市各町
所有者:各町会

番場町屋台(ばんばまちやたい)

所在地:秩父市番場町9番2号

所有者:番場町会

 

現在の屋台は、昭和10年に荒木の工匠坂本盛太郎と髙橋卯三郎の手により建造された。元々は笠鉾で電線架設により屋台となった。

朱塗りの屋台で「朱(あか)い屋台」と呼ばれている。内室の周囲を飾る中国の八仙人の彫刻は、内山良雲等による名品である。また、屋根上左右妻が龍虎の彫刻で飾られており、屋台を装飾豊かなものとしている。




宮側町屋台(みやかわちょうやたい)

所在地:秩父市宮側町14番6号(宮側町公会堂横)

所有者:宮側町会

 

現在の屋台は、昭和10年に当地の名工、丸岡治助の手により建造された。元々は笠鉾であったが大正3年に電線架設で曳行ができなくなり屋台となった。

反り木・腰支輪(こししりん)(彫刻)は初代笠鉾のものを使用している。川瀬祭屋台としてはいち早く屋型と内室(うちむろ)を付設して内室式屋台とした。







東町屋台(ひがしまちやたい)

所在地:秩父市東町7番9号

所有者:東町会

 

現在の屋台は、昭和8年に当地の名工、丸岡治助により建造された。元々は笠鉾であったが大正3年に電線架設で曳行ができなくなり屋台となった。

四方唐破風造(しほうからはふづくり)が特徴で、全体に均整のとれた屋台となっている。屋根中央には、御幣を掲げ、笠鉾の名残をとどめている。





熊木町笠鉾(くまぎまちかさほこ)

所在地:秩父市熊木町13番9号(熊木公会堂前)

所有者:熊木町会

 

建造は昭和29年と新しいが、大滝栃本から、笠鉾の勾欄・彫刻(大滝村強石で使用していたものが後に栃本へ)を譲り受け、笠(3層)・万燈・水鉢(せき台)・天道も宮側笠鉾で使用したものを譲り受けている。

腰支輪は、波に龍の彫刻で玉眼入り、江戸時代末から明治初年の作といわれている。








道生町笠鉾(どうじょうまちかさほこ)

所在地:秩父市道生町3番23号

所有者:道生町会

 

昭和27年に「曳太鼓」を建造し、川瀬祭に参加していたが、平成9年、上町から三代目笠鉾を譲り受け、改修して曳行することになった。

腰組は、明治22年建造当時の上町笠鉾の形態を引き継いでおり、床が低く、腰支輪の幅が狭くなっている。

笠は、3層の笠とも洋釘が使用されており、大正6年~昭和8年に造られた笠と思われる。笠鉾の上部は、上町笠鉾を踏襲し、せき台の上に御幣を掲げている。








上町笠鉾(かみまちかさほこ)

所在地:秩父市上町二丁目9番12号(上町公会堂横)

所有者:上町会

 

上町笠鉾(四代目)は、昭和57年の建造と川瀬祭の笠鉾・屋台の中で最も新しいが、笠は三代目笠鉾と同様に二重垂木を採用し旧態を継承している。

また、腰支輪の波に亀の彫刻は、大正8年から昭和11年まで秩父祭上町屋台で使用していたものを転用している。






中町笠鉾(なかまちかさほこ)

所在地:秩父市中町1595番地2(今宮神社社殿横)

所有者:中町会

 

中町笠鉾は、昭和11年に番場屋台と同様、荒木の工匠坂本森(盛)太郎により建造された。

笠は、明治20年頃に建造された二代目笠鉾のものを用いている。彫刻は、「唐子遊び」を主題とし、川瀬祭笠鉾・屋台の中では特異な彫刻となっている。腰支輪は、欄間形式をとっている。






本町屋台(もとまちやたい)

所在地:秩父市番場町1番1号(秩父神社境内)

所有者:本町会

 

本町は、明治以降、笠鉾を建造して川瀬祭の付祭りに曳行した。現在の本町屋台は、昭和10年に建造されたもので、八棟造り(やつむねづくり)の重量感あふれる屋根が特徴となっている。

彫刻は、屋根の鬼板と懸魚(げぎょ)、内室(うちむろ)の立隠の左右、各一対で物語を表現している。屋根の各彫刻には、担当した作者名が墨書してある。

番場町屋台

宮側町屋台

東町屋台

熊木町笠鉾

道生町笠鉾

上町笠鉾

中町笠鉾 

本町屋台