秩父市山田の恒持神社にある「諏訪神社社殿」が、令和6年5月30日に秩父市指定有形文化財になりました。
諏訪神社社殿は、明治13年(1880)に下山田の五反田耕地に建立され、明治40年(1907)の神社合祀令に伴い、翌41年(1908)に恒持神社の末社として合祀されました。
大きさは小振りなものの、緻密な彫刻が四面すべてに施されているのが大きな特徴です。また、構造においても脇障子のつけ方が廻り縁に対して斜めに建てられている珍しい造り方になっています。
本社殿が五反田耕地にあった当時、諏訪大明神を祭神とする「矢行地の獅子舞」(市指定無形民俗文化財)は、本神社を祭神としていたと伝わっています。
社殿の工匠は地元の名工である荒木和泉(藤原脩安)、彫刻は熊谷玉井村(現在の熊谷市玉井)在住の小林栄次郎です。
この両者は、秩父地域の寺社仏閣や秩父祭をはじめとする笠鉾・屋台の建造を多く手掛けています。
本社殿においても細部にわたる地紋の多用など、両者のそれぞれの特徴が各所に、顕著に表れています。
この機会にぜひご覧ください。