明けましておめでとうございます。令和3年、人々に平和な毎日が訪れることを心から願っています。
新しい年のはじまりに、改めて、新型コロナウイルスとの戦いに明け暮れた昨年を振り返りたいと思います。
3月3日から3月26日までの間、学校は臨時休業となりました。突然の臨時休業の知らせは学校現場に動揺を与えましたが、各学校での校長を中心とした的確な対応に学校の底力を感じました。小中学校とも、規模は縮小しましたが、卒業式を実施できたことは幸いでした。
【卒業式:秩父第二中学校】
また、私立・公立の学童保育室、ふれあい学校は継続して開設しましたが、指導員の先生方の対応も見事でした。午前中からの急な児童の受け入れに対しても、しっかりとした感染防止対策を施し、受け入れに応じていただきました。保護者の皆様にも、協力保育に賛同していただき、通常よりも少ない児童の受け入れに協力していただきました。
各学校は、4月8日からの学校再開に向けて準備を進めていましたが、4月7日、政府から緊急事態宣言が発出されました。同日、埼玉県知事からの緊急事態措置により、学校を再開せず、5月6日まで臨時休業を延長することとなりました。秩父市は、小中学校とも4月8日から10日を準備期間とし、入学式を実施した後、4月13日から臨時休業とする判断を下しました。
【入学式:影森中学校】
その後も国内の感染者の増加は続き、埼玉県知事からの要請により、5月7日から5月31日まで、再度学校を臨時休業することを決断しました。
5月25日の緊急事態宣言の解除を受け、6月1日から学校再開となりました。秩父市では、6月1日からの学校再開に向けての準備期間として、5月18日から分散登校を計画的に実施し、学校再開後の問題点や課題を整理しました。
【分散登校の様子:西小学校】
学校再開に向けて5月に分散登校を実施したことは、その後の学校運営にとって非常に有効であったと思います。
学校再開後、各学校は「毎日の健康観察」「検温」「消毒」、様々な場面での「3密対策」や教室等の「換気」を徹底して行っています。
秩父市教育委員会では、学校内の感染症対策の中核を養護教諭と位置づけました。養護教諭を対象とした感染防止対策の研修会を開催し、「新型コロナウイルス感染症対策(○○学校スタンダード)」を作成するとともに、その徹底を図りました。また、新型コロナウイルス感染者に対する差別等の人権問題に対し、新型コロナウイルス感染症を正しく理解し、「正しく恐れる」ための指導をすべての学校で実施しました。
【養護教諭による新型コロナウイルス感染症についての指導(正しく恐れる):南小学校】
コロナ禍において、教育委員会も学校も、様々な場面で判断や決断を下すことが多くありました。その中の一つに、修学旅行・宿泊学習などの校外行事があげられます。
残念ながら、学校規模などによって、止む無く中止の決断をした学校もありましたが、いくつかの学校で、感染防止対策を十分に行ったうえで実施できたことは、今後のコロナ禍での学校行事の実施方法に大きな示唆を与えてくれたものと考えています。
【日光東照宮修学旅行:荒川西小学校】
【大滝げんきプラザ宿泊学習:秩父第一中学校】
文部科学省が作成した「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル~「学校の新しい生活様式」~(2020.12.3 Ver.5)」によると、学校が本格的に再開し始めた6月1日から11月25日までの間、感染が確認された児童生徒は3,303人でした。感染経路としては家庭内感染が多く、小学校で73%、中学校で64%という結果でした。また、学校関係者に感染者が発生した事例をみると、校内での感染者が1人でとどまった事例が約78%と大部分を占めており、学校現場における感染防止対策の成果が示されています。
新しい年を迎え、日本での新型コロナウイルスワクチンの接種開始についての報道も目にするようになりました。朗報ではありますが、今は基本的な感染防止対策をしっかりと行い、少しでも感染拡大を抑える時期にあります。学校現場でも引き続き緊張感を持って感染防止対策を講じていくよう、教育委員会として指導していきたいと思います。
中学3年生、高校3年生はいよいよ受験シーズンに突入します。新型コロナウイルスの影響により、前例のないことが多く、様々な不安を抱えている受験生が多いと思いますが、皆さんには新型コロナウイルスと戦い、非常事態に耐えてきたことで鍛えられた強い心があります。その強い心で、この受験シーズンを乗り切って欲しいと思います。受験生を見守る私たちは、皆さんの健闘をお祈りするとともに、感染拡大の防止に努めることで、皆さんを応援していきたいと思います。