選挙運動と政治活動

 政治上の目的をもって行われる一切の活動が政治活動と言われています。ですから、広い意味では選挙運動も政治活動の一部なのですが、公職選挙法では選挙運動と政治活動を理論的に明確に区別しており、それらを定義づけすると次のように解釈できます。

選挙運動

 特定の選挙に、特定の候補者の当選をはかること又は当選させないことを目的に投票行為を勧めること。

政治活動

 政治上の目的をもって行われるいっさいの活動から選挙運動にわたる行為を除いたもの。

選挙運動とは

 

選挙運動はいつからできるのか

 選挙運動は、公示日(告示日)に立候補届が受理された時から投票日の前日までに限りすることができます。
 それ以外の期間、たとえば、立候補届出前にする選挙運動は事前運動として禁止されています。

候補者が行う選挙運動

 公職選挙法により認められた候補者が行う選挙運動は、ポスター等の印刷物や演説会等の言論などによって行われます。
 主なものは次のとおりです。

  • 選挙事務所の設置
  • 新聞広告
  • 選挙運動用ポスターの掲示
  • 選挙運動用自動車の使用
  • 選挙運動用ビラの頒布
  • 街頭演説
  • 選挙運動用はがき
  • 選挙公報
  • 個人演説会

 

禁止されている行為


次のような行為は禁止されています。
買収 選挙犯罪のうちではもっとも悪質なものであり、法律で厳しい罰則が定められています。候補者はもちろん、選挙運動の責任者などが処罰された場合、候補者の当選が無効になることもあります。
戸別訪問 誰であっても、特定の候補者に投票してもらうこと、あるいは投票させないことを目的に、住居や会社などを戸別に訪問してはいけません。
あいさつを目的と
する有料広告
候補者や後援団体(特定の候補者を推薦し支持する団体)は、選挙区内にあるものに対し、時候のあいさつを目的とする広告を有料で新聞、雑誌に掲載したり、テレビやラジオで放送してはいけません。
飲食物の提供 誰であっても、選挙運動に関して飲食物を提供してはいけません。飲食物(酒等)を陣中見舞い等として候補者に届けることも禁止されています。
※お茶や通常お茶うけとして用いられる程度のお茶菓子や果物は除かれています。また、選挙運動員に渡す一定の範囲内の弁当を提供することは除きます。
署名運動 誰であっても、特定の候補者に投票をするように、あるいは投票しないようにすることを目的として選挙人に対し署名を集めてはいけません。
気勢を張る行為 誰であっても、選挙運動のために人目を引こうと自動車を連ねたり隊列を組んで往来したりしてはいけません。

禁止される寄附


 政治家(現職の政治家や候補者、これから立候補しようとしている人をいいます)は、選挙区内の人などに対して寄附をすること(政治団体や親族に対するもの及び政治教育集会などに関する必要やむを得ない実費の補償を除きます。なお、この場合であっても、食事は提供できません。)は禁止されています。
 また、政治家の家族や秘書など政治家以外の人が政治家を名義人とし、選挙区内の人たちに対し寄附をすることも禁止されています。
 ただし、政治家本人が自ら出席する結婚披露宴における祝儀や、葬式における香典(花輪、供花等はできません)で、通常一般の社交の程度を超えないものであれば罰則の適用はありません。
 また、政治家の後援団体が選挙区内の人たちに対し寄附をすることも、同様に禁止されています。 もちろん、選挙人も候補者等に対し、寄附を求めることはできません。

罰則をもって禁止される政治家の寄附の例

  • 病気見舞い
  • 地域の行事やスポーツ大会への寄附や差し入れ
  • お祭りへの寄附や差し入れ
  • 葬式の花輪、供花
  • お中元やお歳暮
  • 秘書等が代理で出席する場合の結婚祝や香典